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オランダ・ロッテルダムのある晴れの日のこと。私は大型グルメ施設「マルクトホール(Markthal)」前の広場で、観光客や地元の人があふれる中、階段を降りていた。午前中にイベリコ豚のハムなどに舌鼓を打った後、オランダの伝統菓子「ポッフェルチェ」の誘惑に屈したところだった。

他の人々はどういうわけだか、屋台で買ったごちそうを慎重に守り、広々としたスペースの端の方に集まっていた。一方の私は何も考えず、広場の中央に歩いて行った。

私はすぐに、自分の間違いに気づいた。これまでに見たこともないような数のカモメが舞い降り、まるでレーザーのような正確さで、まだ温かい私のパンケーキを奪って行ったのだ。私は映画『鳥』のティッピ・ヘドレンさながらの様相で叫びを上げながらその場を脱出。後に残ったのはポッフェルチェの残骸と後悔の念だった。

このカモメの決断の背景には論理性があるかもしれないことが、新たな研究結果から示された。カモメは食べ物を探す上で、人間の行動を合図として使用している可能性があるのだという。

研究を率いたエクセター大学ペンリンキャンパス生態学保全センターのマデレン・グーマスは、米CNNテレビに対し「カモメが単に食べ物を見て引き寄せられるだけなのか、それとも人の行動によって食べ物に注意を向けることもあるのかを突き止めたかった」と述べた。

「私たちの研究からは、人間からの合図がカモメの餌探しに重要な影響を与えている可能性があり、カモメが都市部に定着できた理由を部分的に説明できるかもしれないことが示された」(グーマス)

研究チームは、フラップジャックと呼ばれる焼き菓子を顔に向けて持ち上げて、セグロカモメの反応を見る実験を実施。意図しない視覚的合図を与えることを避けるため、実験中はサングラスを着用した。(グーマスが過去に行った研究では、カモメは何かを食べようとしているときに人に見つめられると不快に感じることが示されている)

その結果、セグロカモメは人間が触った食べ物をつつくことが多く、人と食べ物の存在を関連付けていることが強く示された。対象となった38羽のうち、フラップジャックをつついたカモメは24羽で、うち19羽は人間が触ったものを選んでいた。

編集=遠藤宗生

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