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2020.03.13 07:30

目指すは自律自走 「リード・ザ・ジブン」で最強の自分になる

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あなたに火をつけるのは何?


「リード・ザ・ジブン」は、3つのプロセスからできています。なかでもステップ1と3は、宇佐美さん曰く、「3時間もあれば」実行できます。
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ステップ1は「人生曲線」です。横軸に幼少から現在までの時間軸、縦軸にモチベーションレベルをとり、自分のモチベーションがどのように変化していったのかをグラフにします(図1)。

そして、「何をモノサシにして、なぜこの意思決定・判断をしたのか?」「モチベーションが上がった理由、下がった理由は何か?」を振り返ります。この2点を考えることで、「自分が人生において何を大切にしてきたのか」が見えてきます。


【図1】ステップ1 人生曲線。横軸が時間、縦軸がモチベーションのレベル
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つまり、自分の中にあるものをあぶり出し、それを客観的に考えてみる。このステップでは、こうした思考の結果を自分の脳にインプットし、熟成させていくことが求められます。

ここで大切なのは、描かれた人生曲線を自分の中に溜めるのではなく、周囲にもシェアすることです。少なくとも2人、できれば5人のチームでお互いにシェアすることで、各自がそれぞれ自分という人間を他者に知ってもらうのです。それによりチームのつながりはより密になり、さらに、フィードバックをもらうことで自己肯定効果も得られます。

ステップ2の「EGAKU」は、コミュニケーション・アートによる人材・組織変革手法。「自分を突き動かすもの」というテーマで折り紙サイズの紙にパステルで絵を描き、作品をチームで共有し、他の人からフィードバックをもらいます。

宇佐美さんはこの段階でアート思考を取り入れたことについて、「左脳で考えるステップ1と3の間に、右脳を使うステップ2をはさむことで、思いがけないクリエイティブ・ジャンプや自分の潜在意識との対話が可能になる」からだと説きます。ここでは、自分が気づかなかった一面を他の人が見つけてくれたり、どんな自分でもいいのだという許容感を得ることができます。

最後のステップ3、「My Aspiration」では、ステップ1、2を経て意識内に浮き上がってきた自分の志を言語化します。図2のフレームワークを使い、質問に答える形で言葉にし、それをチームで共有することで、フィードバックをもらい、さらに自分を進化させていくのです。


【図2】ステップ3 My Aspiration。自分の志を言語化し、チームで共有する

自らチャレンジできる人材になる


上から言われたことを黙々とこなすだけでは仕事は楽しくなりません。自分で主体的に動ける自律自走人材は、会社のビジョンに自分の志を共鳴させ、強い想いをもって仕事に取り組める人たちです。

彼らは、ワクワクしながら仕事をして、大きなチャレンジに次々と挑んでいきます。またはたとえ困難な状況にあっても、自分の志と会社の志が同じ方向であれば、自分のためにも会社のためにも打破しようという意気込みに変わります。

「リード・ザ・ジブン」で自分の志を明確にし、自分で自分の心に火を付けられるようになれば、どんな環境であれ、「最強の自分」として成長し続けるサイクルを回していくことができるでしょう。

文=秋山ゆかり

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