テクノロジー

2020.03.04 08:00

ファーウェイのエコシステム戦略の可能性 「遅かれ早かれ世界最大のスマホメーカーに」


単にスマートフォンだけを提供しているのではない


開発者向けでは、「Google Mobile Service(GMS)」をインストールできないことから、これに代わる「Huawei Mobile Service(HMS) Core」も進めており、日本でもアプリ開発者向けのイベントを開くなどしている。

2つ目のエコシステムは、PC、タブレット、ウェアラブルなど、コンシューマー向け製品全てが協調してコンシューマーに利便性を提供する、というものだ。この日もノートPCでは「Huawei MateBook」シリーズの最新版、タブレットは5Gモデルも登場予定の「Huawei MatePad Pro」を発表している。「我々は単にスマートフォンだけを提供しているのではない。PC、タブレットなどもあり、Huaweiデバイスのエコシステムを構築している。これは今後、我々のビジネスの加速要因になる」とYu。

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ファーウェイ コンシューマー事業部トップのRichard Yu氏 撮影=末岡洋子

携帯電話という製品カテゴリそのものの歴史は浅い。だが、その短い歴史の中でメーカーの顔ぶれは変わった。1位になるというファーウェイは、ノキア、サムスン、アップルといったこれまでのリーダーから何を学んだのか? Yuはこう答えた。「イノベーションを続けること。危機感を持ち、どんなに成功しても傲慢にならないこと」。イノベーションのヒントとして「コンシューマーの真のニーズを理解すること」という。

「1位になることはあまり気にしていない。どうやって最高のクオリティ、最高のUI(ユーザーインターフェース)を提供できるか。ここにイノベーションがあると思っている。もっとも重要なのは、NPS(ネットプロモータースコア)と言っていいだろう」──そしてそれは、ファーウェイの顧客志向、ハードワーキングな社風に合っているという。

Yuは最後に、「常に自分たちにチャレンジしている。我々のスローガンは“Make it possible”──不可能なことを可能にするという精神だ。不可能はない。どうやって達成するかだ」と自分に言い聞かせるように述べた。

文=末岡洋子

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