この仕様を絶賛する声は高く、内側に折り畳むスタイルのサムスンの「Galaxy Fold」と、明確に一線を引く点でもある。
ファーウェイは11月にMate Xの販売を開始したが、中国の現地メディアは先日、同社が既にこの端末を20万台出荷したと宣言したことを伝えた。これはサムスンがGalaxy Foldの出荷台数とする「40万台から50万台」という数字を大きく下回るが、Mate Xが中国のみで販売されていることを考慮すると、かなりの売れ行きだ。
ファーウェイのMate Xは中国以外で利用することも可能だが、同社のMate 30と同様に、グーグル関連のアプリは非搭載でリリースされた。背景には、米国によるファーウェイのブラックリスト指定がある。そのこともあって、ファーウェイの一連のフラッグシップは、海外でほとんど無視されたままだ。
一方でファーウェイは中国の国内での売上を伸ばし、競合との差を広げようとしている。同社は巨大な中国のスマホ市場で、シェア50%以上を獲得しようと躍起になっている。
同社は今年3月に次期フラッグシップの「P40」を発売する予定だが、それに先立ち、2月にバルセロナで開催の「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」で、Mate Xの後継モデルの「Mate XS」を発表すると噂されている。
Mate XSは欧州でも発売される可能性がある。しかし、P40やMate 30と同様に限られた地域のみでの販売になるかもしれない。これらの端末が、グーグルのアプリを搭載できるか否かで状況は大きく異ることになる。
ファーウェイは3月に発売のP40が、グーグルのアプリのエコシステムを置き換えるHMS(HUAWEI Mobile Service:ファーウェイ独自のアプリエコシステム)を搭載したものになると述べている。しかし、今後も海外のユーザーが、グーグルのサービスを利用できない端末の利用を控える傾向は続くだろう。
米国によるブラックリスト指定が解除されない限り、機能面で優れたファーウェイの端末が、世界ではさほど売上を伸ばせない状況は続きそうだ。