しかし最近の従業員は、終身雇用を当てにすることができない。雇用の保障や惜しみない福利厚生を約束する会社は少なく、従業員は必ずしも雇用主に忠誠心を感じ、長期にわたり働かなければならないと感じるとは限らなくなっている。労働者は、自分のキャリアパスを管理し、前進するために必要なメンターや訓練を求めるのは自分だということに気づき始めているのだ。
仕事における成功の定義は、過去数年間で変化してきた。その理由は次の通りだ。
1. 雇用の保障が弱くなった
米国での失業率は最低レベルを記録しているが、それでも雇用保障のようなものは存在しない。フォードやテスラ、アイハートメディアのような企業が労働者を解雇する中、従業員は終身雇用が過去のものであることに気づいている。仕事での成功は、同じ会社に何年も勤務することを意味しなくなり、雇用主よりも自分のキャリアに忠実になることが大事になっている。
2. 労働力にミレニアル世代が増えた
ピュー研究所の報告書によると、2017年時点で米労働人口の3分の1以上(35%)はミレニアル世代であり、最も大きな部分を占めていた。ミレニアル世代にとって、仕事での成功は他世代と全く異なる。米調査会社ギャラップの調査からは、この世代が従業員体験において次の6つの側面を評価することが分かっている。
・目的
ミレニアル世代にとって、仕事には意味がなければならない。給料は重要だが、この世代は金よりも理念や目的によって動かされる。
・成長
ミレニアル世代が追求しているのは働きがいだけではない。この世代はキャリアの成長を原動力とし、学習と成長の機会を期待している。
・コーチング
ミレニアル世代は上司ではなくコーチを求めている。これにはトップダウンの管理ではなく真の関係性が必要だ。
・継続的な会話
年に1度の人事評価は頻度としてあまりに少ない。ミレニアル世代は、現在の自分のパフォーマンスについてより頻繁なフィードバックを必要としている。
・強みの強化
弱みに注目しても、ミレニアル世代は心を動かされない。効果が出るのは強みに注目することだ。
・最善を尽くす能力
ミレニアル世代は、自分が最善を尽くせる分野で働く機会を与えてくれる組織に貢献したいと思っている。この世代にとって、仕事は人生なのだ。