同社の労働組合「キックスターター・ユナイテッド」は2月19日、全米労働関係委員会(NLRB)の承認を受けたとツイートし、経営陣との話し合いに向けて交渉委員会を立ち上げると発表した。
ブルックリン本拠のキックスターターの労組に参加するのは、デザイナーやカスタマーサポート要員、エンジニアを含む85人の社員らだ。彼らは労働組合のOPEIU(事務専門職従業員国際労組)に参加するための社内投票を実施し、賛成多数でそれを可決した。
キックスターター社内での労組結成の動きが発生したのは、「Always Punch Nazis」と題されたコミック書籍のプロジェクトが、オルタナ右翼メディアBreitbartの抗議を受けて、中止された騒動以降のことだ。社員らはこのプロジェクトが正当なものであると主張したが、経営陣は中止を決めていた。
その後、2019年3月に労組結成の議論が高まり、9月にキックスターターの経営陣は2人の社員を解雇していた。
米国のテック業界では近年、労組結成の動きが注目を集めている。先月はフードデリバリーアプリのインスタカート(Instacart)社員らが、配達員の待遇改善を求めてボイコット運動を起こした。また、アマゾンの社員らも会社が気候変動対策への努力を怠っていると、抗議活動を起こしていた。
2019年2月には、グーグル社員らが抗議活動の末、会社を訴える権利を勝ち取っていた。キックスターターの労組結成により、テック業界の社員らが地位向上を求める機運は、さらに高まりそうだ。しかし、社員数150人のキックスターターはグーグルやアマゾンと比べれば、ごく小規模な企業でしかない。