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地方発イノベーションの秘訣

左からグレテ・ファレモ国連事務次長兼UNOPS事務局長、久元喜造神戸市長(C)UNOPS

デジタル時代の今、国連が行う開発途上国や被災地域での援助活動の現場では、ドローンや人工知能といった最先端のテクノロジーが求められている。そんな中、優れた技術力とチャレンジ精神を合わせ持つスタートアップ企業が、支援現場で活躍する事例も出てきた。

その流れを受け、プロジェクト実施に特化した国連機関、UNOPS(国連プロジェクトサービス機関)が、全世界で約15カ所のグローバル・イノベーション・センター(GIC)の立ち上げを計画。スタートアップは、ここを通じて、年間で総額2兆円といわれる国連調達で新しい挑戦ができる。また、国連も最新のテクノロジーを現場で使える。いわばGICは「一石二鳥」のスキームといえる。


コペンハーゲンにあるUNOPS本部

日本国内のスタートアップは東京に集中しているので、スタートアップの助力を得るとなれば、誰もが東京でと考えるであろう。ところが、今年、アジアで初となるGICは神戸に開設されることが決まっている。

国連は、神戸を選ぶ理由を、「米国シリコンバレーVCと組んだ起業家育成、スタートアップと市職員の共同開発、ルワンダ共和国との経済交流といったイノベーション施策への熱意と本気度」を強く感じたと説明する。

それでは、どうやってこのように国連を動かすことになったのか。今回のGIC誘致劇の内幕を明らかにしよう。

Forbesの記事がUNOPS本部に伝わる


まず、国連はどうやって神戸の先進性を知ったのか。タネ明かしをすると、針の穴を通すように初めに先方へと伝わったのは、私が書いている神戸をテーマとしたForbes JAPAN Webでの連載「地方発イノベーションの秘訣」(この連載だが)だった。

私をよく知る神戸市職員がフェイスブックでシェアした記事が、8500km離れたコペンハーゲンにいるその職員の友人に届く。実は、その友人が、コペンハーゲンに本部を置く国連機関、UNOPSで勤務していたのだ。SNSを経て国連に届くというのが今時だが、これをきっかけに、UNOPSの幹部が神戸市のイノベーション施策を知るようになった。

昨年9月24日、本部の命を受けて、UNOPS駐日事務所代表の千葉あずさが神戸市役所を訪れ、「世界各地にイノベーションセンターをつくる構想がある。アジア初の拠点を日本で検討している」と告げた。

文=多名部重則

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