SMRは、規模と、用地の最適化という点できわめて実用性が高いため、理論上は、各都市がそれぞれ原子炉を設置できるとロールス・ロイスは説明した。
ロールス・ロイスは1990年代から、原子力施設の設計・製造・供給・運用に関わってきた。SMR技術の構成要素に関しては、すでに35件を超える特許を取得している。同社は、規模の経済を実現するためにSMRを世界的に販売する具体的な計画を持っており、最近はこのコンセプトに微調整を加えているところだ。
「当社は、1966年に就役したヴァリアント級原子力潜水艦以来、7艦級に対してコンパクトな加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)を提供してきた。また、多くの民間原子力発電所の設計に関わってきた。世界市場は、プロジェクトの複雑さを低減させることをめざしており、SMRは、従来にかわる低コストな選択肢を提供できる」
英国国立原子力研究所が実施した実現可能性調査によれば、大規模な原子炉では対応できないエネルギーの世界市場は推定4000億ポンド(約57兆円)規模に上る。したがって、SMRにはたしかにチャンスがある。計画通りにことが進めば、ロールス・ロイスはまちがいなくそのチャンスを活用できるだろう。