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世界最大のビール会社であるベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)が、ドイツの再生可能エネルギー事業者BayWa r.e.と電力購入契約を結んだ。ABインベブは10年にわたり、西欧の醸造所14カ所で使う電力をすべてBayWaから調達する太陽光などの再生可能エネルギーで賄う。企業間の欧州全土規模の太陽光発電取引としては過去最大のものだ。

1月9日の発表によると、両社が結んだ「仮想電力購入契約(VPPA)」と呼ばれる契約では、BayWaがスペインに建設する出力計約20万キロワットの太陽光発電所2カ所から電力が供給されることになる。ただ、これらの太陽光発電所が稼働を始める(2022年3月ごろ)までは、同社が同じくスペインに持つ風力発電所から電力を供給する。対象となるABインベブの醸造所では主力の「バドワイザー」を含む50余りのブランドが生産されている。

ABインベブは「2025年持続可能性目標」のひとつとして、25年までに購入電力をすべて再生可能エネルギーに切り替える目標を掲げており、今回の契約もその一環だ。欧州社長のジェーソン・ワーナーは「醸造業者として、私たちは自分たちのビール造るうえでホップや大麦、酵母といった天然の素材に頼っています。ですから、持続可能性は当社のビジネスの一部というよりも、むしろ当社のビジネスそのものだと認識しています」と述べている。

ABインベブは欧州で年間5500万たるを超えるビール生産している。19年にフランスとオランダでも発売したバドワイザーは、欧州で同社のベストセラーとなっており、域内の生産量は瓶ビールだけで週におよそ500万本にのぼる。

西欧でのバドワイザー生産に使う電力がすべて再生可能エネルギーになり次第、ABインベブはそれを示すマークをバドワイザーのラベルに付ける方針だ。再生可能エネルギーで造ったビールだとアピールし、消費者に選んでもらう狙いがある。ワーナーによると、同社はこのマークをほかのメーカーも使えるようにし、同様の取り組みを広げていきたい考えだ。

「欧州グリーンニューディール」にも貢献

ABインベブは持続可能性目標の実現に向けて、英国やロシア、メキシコ、米国、オーストラリア、中国、インドの事業で再生可能エネルギーへの移行を進めている。この取り組みを通じて、同社は消費財業界で最大の再生可能エネルギー購入企業になるとみられる。

BayWaの出資でスペインに建設される太陽光発電所の一つは「バドワイザー・ソーラーファーム」と名づけられ、年間250ギガ(ギガは10億)ワット時の電力をABインベブの醸造所に供給する予定。生産量は一般家庭約67万世帯の年間消費電力に相当する。

編集=江戸伸禎

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