1 本を読む
日本人は圧倒的に読書量が少ない。月に1冊も本を読まない人が人口の50%近いというデータもある(文化庁「国語に関する世論調査」)。
まずは本を読むことから始めよう。NHKが開発した人工知能(AI)を使った調査によると、健康寿命は運動習慣よりも読書習慣と関連があるそうだ。本を読むことが、人生を総合的に豊かにする、ということなのであろう。
2 人と会う
これはただ単に友達と飲みにいくということではなく、自分と違う人と積極的にコミュニケーションを取ることだ。社外で知り合った異業種の人と交流し、大学や研究所の研究者を探してアクセスし、話を聞いてみる。また新聞やソーシャルメディアなどを見ると、さまざまな無料、もしくは廉価な勉強会がたくさんある。そのような勉強会に積極的に参加してもよいと思う。
3 ビジネススクールで学ぶ
グロービスのように多彩なメニューから学べるビジネススクールのほかにも、早稲田大学などで生涯学習の機会を提示するカルチャースクールもある。もっと踏み込んで、社会人大学院で修士を狙うのもよい方法だ。国からの補助金が出たり、会社によっては支援制度があったりする。加えて、それぞれの社会人大学院が生き残りを賭けて特色を打ち出しており、そこでの体験は無駄にはならないはず。どのような形であれ、学ぶことはすべて役に立つ。
4 NHKなどの講座を利用する
NHKや放送大学で学ぶ機会はたくさんある。しかも、ほとんどお金がかからない。語学学校などに通うのでもよい。自己投資以上に効率的な投資はないからだ。
昨年、私は別荘を購入した。それなりの投資だが、いちばんの目的はライブラリーを作り、じっくり本を読む機会を設けること。冒頭で紹介した「天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する」という動画には、ビル・ゲイツの読書シーンが何度も登場する。その中には米ワシントン州のフッド運河沿いにある別荘にこもり、本を読む場面がある。非常に印象的だった。
無論、誰もが別荘をもてる訳はないし、なくても本は読める。しかし、成功することでより資金が増えたら、次の投資は自分を高める場を作ることではないか。おそらく、別荘と書斎にはそのような仕掛けがあるのだと思う。
私はビル・ゲイツの足元にも及ばない。それでも、彼がしていることで見習えることがあるならなんでも学びたい。
ふじの・ひでと◎レオス・キャピタルワークス代表取締役社長。東証アカデミーフェローを務める傍ら、明治大学のベンチャーファイナンス論講師として教壇に立つ。著書に『ヤンキーの虎─新・ジモト経済の支配者たち』(東洋経済新報社刊)など。