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Photo courtesy of Nikola

水素燃料電池で駆動するセミトレーラーの開発を手掛けるアリゾナ州フェニックスのスタートアップ「ニコラ・モーター(Nikola Motor)」は、新型のバッテリーセルを開発したと発表した。

このバッテリーは、テスラ車に使われているリチウムイオンバッテリーに比べてエネルギー密度が2倍、重量は40%、価格は半分だという。同社は詳細情報を公開しておらず、10カ月後にデモを公開する予定だという。

ニコラ・モーターが開発した新型セルは、テスラ車に搭載されている「2170」規格のバッテリーセルとは異なり、ニッケルやコバルトを使っていない。同社によると、バッテリーのサイズと重量は従来とほとんど変わらず、航続距離を従来の300マイル(約483キロ)から最大600マイル(約966キロ)まで増やすことが可能だという。同社では、バッテリーの充電・消耗を2000回以上繰り返す耐久性試験を行い、市場化できるパフォーマンスを確認できたという。

ニコラ・モーターの創業者兼CEOであるTrevor Miltonによると、耐久性試験は数十万マイルを走行したのに匹敵する内容だという。彼は新製品について、「バッテリー業界の歴史上、最大の進化だ」と胸を張る。

「これは、世界で初めて自立電極を備えた自動車用バッテリーだ。我々は、開発に当たってリチウム成分を含む様々な化学薬品を試したが、その詳細を公開せずに製品について説明することは非常に困難だ」とMiltonは話す。

ニコラ・モーターによると、リチウムイオンバッテリーが高額で重い原因となっている金属を使用しないことで、1kWh(キロワットアワー)当たりのコストを半分に抑えることができるという。また、コバルトやニッケルを採掘しないため、環境に及ぼす影響も改善できる。ニコラ・モーターの発表が事実であればEV業界に大きな変革をもたらすことになるが、このバッテリーが本当に発表通りの機能を備え、量産が可能であることを同社は証明して見せる必要がある。

自動車メーカーは、1990年代後半からガソリン車と同等の航続距離と性能を持ち、価格も手ごろなバッテリーを求めてきた。しかし、長年の研究にも関わらず実現に至っていないことから、自動車業界のエンジニアや経営者の中には、バッテリーメーカーを嘘つき呼ばわりする者もいる。

編集=上田裕資

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