これによって、Datingを利用するシングルたちに、フェイスブックの一連のアプリを利用する新たな理由が与えられることになる。Datingのプロフィールに直接、ストーリーズを書き込むことは出来ず、インスタグラムやフェイスブックのストーリーズを利用することが必須となる。
フェイスブックのDatingの利用にあたってユーザーは、事前にフェイスブックとインスタグラムのアカウントを連携させることを求められる。その後は、24時間以内に投稿したストーリーズをプロフィールに表示できる。
フェイスブックは今年4月に出会い系サービスのDatingをアナウンスした。将来的にはティンダーやOKCupidの競合となる見通しのDatingは、米国で9月に始動したばかりで、まだ初期段階にある。マーク・ザッカーバーグはこのサービスの立ち上げにあたり、次のように述べていた。
「Datingが目指すのは一夜限りの関係を生み出すことではない。長期に渡るリアルなつながりを生み出していく」
ザッカーバーグは、フェイスブックが今後、従来のコア機能だったニュースフィードから距離を置いていく姿勢を明らかにした。その代わりに、注力を深めるのがフェイスブックとインスタグラムのストーリーズだ。投稿した写真や動画が24時間で消えるこの機能は、そもそもスナップチャットが発明したもので、フェイスブックが模倣して導入した。
フェイスブックによると、同社のストーリーズでは連日、10億件以上の写真や動画が投稿されている。ザッカーバーグは昨年、投資家との電話会議で「今からそう遠くない将来に、人々の投稿はフィードよりもストーリーズが中心となっていく」と述べていた。
Datingでストーリーズとの連携が強化された背景にも、フェイスブックの長期的な戦略がある。マーケティング業界の関係者は、既にフェイスブックのストーリーズが中心的な役割を果たしつつあることに気づいている。
データサイエンス企業4C Insightsのアナリスト、Aaron Goldmanは「フェイスブックのストーリーズの広告売上は、今年第3四半期に前年比554%増を記録した。インスタグラムのストーリーズの広告売上も、139%増となった」と述べた。
ザッカーバーグは今年3月に発表したマニフェストで、フェイスブックが今後、オープンなネットワークからプライバシーを重視する方向にシフトしていくと述べた。そこで重要なポイントにあげられたのが、「投稿の永続性を軽減していく」という課題だ。
「人々は、自分の過去から自由になるべきだ。自分がシェアした投稿が、後から自分を傷つけることになるかもしれない、などと心配すべきではない」とザッカーバーグは述べていた。