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2019.11.15

フェイスブックが寄付活動に注力、募金用の新ツール導入

Photo by Chesnot / Getty Images

フェイスブックは11月14日、ユーザーが手軽に慈善団体などに寄付を行える3つのツールを発表した。フェイスブックのストーリーズに表示される寄付金募集のステッカーに加え、インスタグラムのビジネスアカウントやゲームのライブ配信を行うアカウントに寄付ボタンが設置される。

オンライン経由の寄付では、GoFundMeやペイパルが先行しており、この2社は1回の寄付につき30セントの手数料と、寄附金額の2.9%を決済費用として徴収している。しかし、フェイスブックは寄付の際、いかなる費用も徴収しないという。

フェイスブックの寄付活動に参加するNPO団体Military Mama Network創業者のGeriann Wiesbrookは、「私たちのチームはこれまで、ペイパルを通じて決済金額ベースでわずかな寄付金を集めてきた。ユーザーから自動的に寄付金を徴収する仕組みは画期的なものだ」と述べた。

非営利の慈善団体は毎年、オンライン経由で数十億ドル単位の寄付を集めてきた。2018年には、5500万人以上の人々がペイパル経由で96億ドルを慈善活動に注いでいた。GoFundMeが2010年以降に集めた寄付金の総額は50億ドル以上にのぼっている。一方、フェイスブックが2015年以降に個人や組織から集めた資金の総額は、20億ドル以上となっている。

フェイスブックが新たに導入する寄付ツールは、同社がデジタル決済に進出し、グループや個人間のメッセージのやりとりを促進する上で、重要な役割を果たすことになる。フェイスブックが寄付から直接的な利益を得ることはないが、これらのツールの導入によって、同じ志を持つ人同士がフェイスブック上で結束を高める効果が期待できる。

フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグは5月の開発者会議で、グループ内でのユーザー同士のコミュニケーションを活性化させるプランについて述べ、グループがフェイスブックアプリの中心的役割を果たすことになると話していた。

この試みを前進させる上で、今回追加された3つのツールは大きな役割を果たすはずだ。

編集=上田裕資

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