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テクノロジー、eコマース担当ライター。

Maria Morri via flickr



 美容大国として知られる韓国。韓国人は世界で最も化粧品にお金をかける人々であり、ソウルには、シアトルのコーヒーショップ並みにコスメショップがひしめいている。

 そんな韓国で実店舗での化粧品販売は儲かるビジネスだと考えられてきた。しかし、スタートアップ企業ミミボックスはあえて店舗を持たず、オンライン限定の化粧品販売で勝負に出た。同社は今後グローバルに事業を展開し、市場規模は年間5,000億ドルと言われる世界の化粧品マーケットに食い込んでいく。創業はソウルだが、現在の拠点はサンフランシスコ。ネット上でコスメやスキンケア製品を大幅なディスカウント価格で販売し、化粧品小売業の常識をひっくり返そうとしている。

 3月11日水曜日、ミミボックスは、ヤフー共同創業者のジェリー・ヤンやフォーメーションエイト、グッドウォーターキャピタル、Pejman Mar Venturesといった錚々たるベンチャーキャピタルから、2,900万ドルを調達したと発表。2012年2月に事業を開始したミミボックスの売上のうち80%は韓国マーケットが占める。しかし、今後は調達した資金を使い、中国やアメリカでの事業展開を進めていく。

「ミミボックスをグローバルブランドに育てたい」と、同社の共同創業者兼CEOのハ・ヒョンソク(通称ディノ)は言う。「韓国が誇る美容産業を全世界に広めたいんだ」

 創業開始から3年。ミミボックスは今年、5,000万ドルの収益を上げるペースだという。協力企業のYコンビネーターをはじめ、ファンダーズクラブ、カウボーイ・ベンチャーズ、アルトス・ベンチャーズ、ウィンクルボス・キャピタルなどから投資を受けてきた。現在のミミボックスの企業価値は1億ドルを超えると推測されている。

 美容業界を席巻しようとするスタートアップの存在は、目新しいものではない。アンドリーセン・ホロウィッツが株主のジュレップや、定期購入サービスで成功したバーチボックスの例もある。しかし、ミミボックスほど早い段階でグローバル展開を狙う会社は無かった。ミミボックスは、アメリカのバーチボックス同様、コスメの月間デリバリーサービスからスタートした。その後、化粧品販売のプラットフォームに成長し、現在は自社ブランド製品も取り扱っている。

 CEOのハは陸軍時代にはアフガニスタンで従軍。ファッションデザイナーのトム・フォードの元でインターンをした経験も持つ。ミミボックスを12年に創業してすぐ、韓国政府が主催するテクノロジーコンテストで優勝。そのコンテストでYコンビネーターのケビン・ヘイルに見いだされた。そしてヘイルが、ハと共同創業者のドイン・キムをシリコンバレーに移るよう説得した。ふたりはサンフランシスコのジャパンタウンのホステルで質素な暮らしを経て、13年末には50万ドル、14年には100万ドル近くの資金調達に成功。これまでの総資金調達額は3,000万ドルを超える。

 現在ミミボックスは自社ブランドのコスメ製品開発を進めるとともに、何千もの企業の製品を取り扱っている。まさに伝統的な小売システムに対する挑戦だ。
「米国のコスメ市場はアマゾンが34%、セフォラが22%のシェアを占めている。しかし、価格に敏感な消費者たちは、新しい製品を求めている。彼らをターゲットにすれば、大きなチャンスがつかめるはずだ」とハは言う。

「男性がアルコールにお金を使うのと同じくらい、女性は化粧品にお金を使う。アメリカには、6カ月でコスメに1万ドル以上費やす女性たちがいる。彼女たちは韓国ビューティーに興味を持っている層だ」

ミミボックスの成長に期待を寄せる投資家たちも、ハの分析に同意している。

「韓国は美容業界において世界をリードする存在だが、人々はその事実に気づいていない」とグッドウォーターキャピタルのエリック・キムは言う。
「美容に関しては、韓国が世界のどこよりも早く、最先端かつ高品質のものを消費者に届けている」

 ハは多くの製品を韓国から輸入している中国に成長を期待し、新たな事業所を上海に設置した。

「中国では90%の製品はまがい物で、化粧をする女性はまだ全体の20%以下に過ぎない」というが、そんな中国がやがて世界最大のマーケットになると彼は見込んでいる。

文=ライアン・マック(Forbes)/ 翻訳編集=上田裕資

 

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