同社のユーチューブやツイッター、インスタグラムでのフォロワー数は1900万人で、米プロフットボールNFLのダラス・カウボーイズ(720万人)と米大リーグのニューヨーク・ヤンキース(600万人)を合わせた数をしのぐ。同社は先月、eスポーツのフランチャイズ化のトレンドに乗じ、Atlanta Esports Ventures社の「コール オブ デューティ」大会チームを「アトランタFaZe」と命名するライセンス契約を結んだ。さらに、日産自動車とエナジードリンクブランド「G FUEL」とも100万ドル(約1億1000万円)以上のスポンサー契約を結んでいる。
アトランタFaZeとの契約は、創業9年のFaZe Clanにとって初のライセンスビジネスとなった。同社は6大会に参加する40人以上のゲーム選手を抱えており、フォーブスが今年まとめた第2回「世界で最も価値のあるeスポーツ企業」ランキングでは企業価値2億4000万ドル(約260億円)で4位に入った。
調査会社ニューズー(Newzoo)によれば、eスポーツの世界視聴者人口は4億5400万人に達し、今後3年でさらに少なくとも1億9000万人増える見通しだ。調査会社ニールセンは、平均的なeスポーツファンの人物像として、ミレニアル世代の男性で、年収は7万ドル(約760万円)弱、昔ながらのテレビではなくTwitchやユーチューブ、Mixerといった配信サイトを好む傾向にあると分析している。
スポンサー、広告、メディア権による収益は2017年からほぼ倍増し、8億9700万ドル(約978億円)に達している。eスポーツの今年の世界収益は前年比27%増の総計11億ドル(約1200億円)となる見通しで、北米での収益はうち4割を占める。推定企業価値が1億ドル(約110億円)を超えてランキングに入ったeスポーツ企業は今年、13社に増加。13社の企業価値の平均は前年比52%増の2億1700万ドル(約237億円)となった。
だがそれでも、米プロバスケットボールNBAのダラス・マーベリックスでオーナーを務めるビリオネアのマーク・キューバンは、米国でのeスポーツチーム運営は「ひどいビジネスだ」と語り、アジアと比べた米国市場の価値に疑問を呈している。キューバンは自身も「NBA 2K」大会の出場チームを所有しているが、一方でフランチャイズ料はなくコストも限定的だとも述べている。キューバンはさらに、eスポーツ賭博事業にも投資している。