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I report on the world’s billionaires

アンドリーセン・ホロウィッツのアンジェラ・ストレンジ(Photo by Kimberly White/Getty Images for TechCrunch)

米国では貧しい人々が銀行のサービスを利用するためには様々な障害がある。口座の維持コストや、オーバードラフト(残高を超えて小切手を切ること)に科されるペナルティが、人々を銀行から遠ざけている。

しかし、「この状況は銀行が相手にしない人々をターゲットに、低コストでハイテクなサービスを提供するフィンテック企業に巨大な可能性を与える」と、アンドリーセン・ホロウィッツのアンジェラ・ストレンジは、先日のフォーブスの「30アンダー30」の会場で話した。

「銀行が相手にしないアンダーバンクトな人々向けの市場は巨大だ。世界で20億人から30億人をターゲットにできる」とストレンジは述べた。

世界の大手銀行はこれまで、貧しい人々向けの手頃なメニューを提供してこなかった。これにより、米国の金融サービスは2極化したと彼女は指摘する。その1つがチェースやウェルズ・ファーゴなどの大手銀行やマスターカードなどで、もう1つは給料を担保に高利の貸し出しを行うペイデイローンなどの消費者金融だ。これらの企業には、低所得者層を食い物にしている面もある。

「米国人の50%以上は給料日の間を綱渡りしながら生きている。銀行に余計な費用を支払う余裕などない」とストレンジは指摘した。「この分野には近年までスタートアップが少なかったが、今ようやくその機運が高まった」

スマートフォンの普及や、金融サービスのテクノロジーの導入により、フィンテック企業の立ち上げコストは劇的に低下した。これにより、長年、市場の外に置かれたアンダーバンクトな人々をターゲットとしたスタートアップが相次いで設立された。

「金融危機の時代に育った若者や、これまでの業界とは異なるバックグラウンドを持つ人々が、この市場への参入を始めている。彼らは従来よりも、顧客の目線でサービスを構築できる」とストレンジは述べた。

フィンテック分野の注目企業には、フードスタンプなどの生活保護を受ける人々を主要ターゲットとした「Propel」や、ケニアなどの諸国のクレジット履歴を持たない人々向けに小口ローンを提供する「Branch」などがある。さらに、「Chime」は口座維持費用がゼロの銀行口座を提供し、利用者数を急拡大させている。

この分野のスタートアップは急速に事業規模簿を拡大可能だとストレンジは述べた。古くからの手法で収益を得る企業は残り続けるかもしれないが、長期的視野から課題を解決する新興企業への期待が高まっている。

編集=上田裕資

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