ビジネス

2019.10.21

アップルが「OSの更新率」でアンドロイドに勝ち続ける理由

Gettyimages

アップルのモバイル向けOSであるiOSは、アンドロイドに比べて非常に高い最新版への更新率で知られるが、9月19日にリリースされた最新版のiOS 13も、既に全iPhoneの半分にインストールされ、昨年発売された端末へのインストール率は55%に達している。

グーグルもAndroidの最新版のAndroid 10をアップルと同じ9月19日にリリースしたが、同社がOSのインストール率を最後に公開したのは、2019年5月のことで最新版への更新率は不明だ。しかし、筆者の推測ではAndroid 10のインストール率が、iOS 13とはほど遠いレベルにあるのは確実だ。

今年5月時点で、その約9カ月前にリリースされた最新版のAndroid 9への更新率は、10.4%とされていた。iPhoneとアンドロイドはビジネスモデルが異なるため、単純な数字の比較はフェアではないかもしれない。

しかし、この数字はアップルの垂直統合型のエコシステムが、最新版OSのアップデートを迅速に全ての端末に行き渡らせられることを示している。

グーグルがAndroid OSのアップデートを行う場合、最新版はまず端末メーカーに提供される。そして、メーカーが個別にカスタマイズを加えた後、通信キャリアの仕様との整合性を確認し、キャリアや地域ごとのアップデートを開始する。Androidは月次のアップデートでバグへの対処や、セキュリティパッチの配布を行っているが、これはOS自体のメジャーアップデートとは別物だ。

一方でアップルのOSのアップデートのプロセスは、非常に単純だ。iPhoneの機種は少なく、デバイスのUIも統一されている。さらに、アップデートが端末のオーナーに直接届けられるため、遅延は発生しない。

これらの要因によって、アップルは近年発売されたiPhoneの半数以上に、最新版のOSを送り込むことに成功している。iOS 13には様々な不具合も指摘されたが、アップルは問題が発覚する度にアップデートを行い、安定した動作を実現している。

編集=上田裕資

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