地方の現場から見た教育の今

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小学校、中学校、高等学校などの教育現場におけるICT機器の整備については、全国の学校向けにすでに通知されている、文部科学省が全国の学校に向けて通知した「『2018年度以降の学校におけるICT環境の整備方針』のポイント」に明記されている。主な内容は次のようなものだ。

・大型提示装置(電子黒板ではない)……普通教室+特別教室に整備
・実物投影装置……普通教室+特別教室に整備
・学習者用コンピュータ……3クラスに1クラス程度
・指導者用コンピュータ……授業を担当する教員に1人1台
・無線LAN……普通教室+特別教室に整備
・校務用コンピュータ……教員に1人1台 

これに対して、ネガティブな意見が聞かれることも少なくない。曰く、「ICT機器を入れるより、先生を増やすべきだ」「ICT機器が入ったら子供たちの学習が進むのか?」「道徳や教科などICT活用より先にすることがある」というようなものだ。

整備費と人件費は費目が違う

こういった声が上がるのはわからないでもないが、そもそもICT機器などの整備費と先生たちの人件費では費目が違うのだ。整備費は自治体に渡される地方交付税交付金に含まれるのだが、先生(とくに小学校や中学校)の人件費(給与)については、法律ではっきり予算化されている。それが「義務教育費国庫負担制度」だ。

義務教育に関する公立学校の先生の給与は、市町村立学校の先生(県費負担教職員がほとんどなので、先生の給与は県から支払われる)でも、2/3が県から、残り1/3が国から支払われている。以前は、国が1/2負担をしていたが、今は本給だけでなく最近話題の教職調整額(時間外勤務手当の代わりであり本給の4%に固定されている)や各種手当も1/3を国が負担する。

そのぶん自治体は助かっているわけだが、この制度があるため、教職員の数については簡単に増やせないことになるし、交付金に含まれる整備費を、自治体が簡単に人件費には動かせないのだ。

そういった事情もあり、「ICT機器が入ったら子供たちの学習が進むのか?」
ということについて、もっとポジティブな視点から述べてみたい。

文=望月陽一郎

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