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2019.10.02

路上アーティスト「バンクシー」がロンドンで店舗を開設

バンクシーのショップ内 by Gettyimages

世界各地でゲリラ的に活動するストリートアーティストの「バンクシー(Banksy)」が10月1日、ロンドンにショップを開設し、作品の販売を開始するとインスタグラムで宣言した。店の名前はGross Domestic Product(国内総生産)で、最低10ポンド(約1300円)で彼の作品が買えるという。

バンクシーによると、ロンドンのクロイドン地区にあるこの店は「夜に最も見栄えがする」という。イギリス人ラッパーのStormzy(ストームジー)をモデルにした作品や、ケロッグのキャラクターのトニー・ザ・タイガーをあしらったカーペットなどが展示されている。



バンクシーによると、店舗の開設を思い立ったきっかけは、ある企業から彼の名称の使用権を売って欲しいとのオファーが寄せられたことだったという。彼はこのオファーを蹴って、自身で作品を販売することにしたという。

ただし、今回のショップは作品を展示するショールームとして機能し、販売自体は行わない。店のドアは閉じられているが、作品はガラスを通して外から眺めることができる。



購入は公式サイトの「grossdomesticproduct.com」を通じて行うとされているが、現時点ではまだ準備中の模様だ。

10月3日にロンドンで開催されるオークションには、バンクシーが英国議会の中に居る猿たちを描いた作品「Devolved Parliament」が出品され、250万ドル以上での落札が見込まれている。

今回のショップの窓に、バンクシーは次のように書いている。「誰にでも買える価格にしたいと思い、値段は10ポンドからにしたが、アイテム数は限定的だ。全てのプロダクトは英国内でハンドメイドによって作られた。素材にはリサイクル素材を用いている」



昨年10月にはサザビーズのオークションで、バンクシーの代表作「Girl with Balloon」(少女と風船)が約104万ポンド(約1億5000万円)で落札された。しかし、競売人がハンマーを叩いた瞬間、額縁に仕込まれていたシュレッダーが作動し、作品の下半分が裁断されてしまうという事件が世界的ニュースになっていた。

バンクシー自身が作品を、バーゲン価格で販売するのは今回が初めてではない。2013年に彼はニューヨークのセントラルパークで、サイン入りキャンバスを60ドルで販売していた。

編集=上田裕資

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