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2019.09.29

外観は賛否両論のホンダ・クラリティPHEV 走りは良く電欠の恐れなし

ホンダ・クラリティPHEV

ホンダのクラリティPHEVは、一見、シビックとアコードを足して2で割ったように見えるかもしれない。でも、同車の動力方法は近未来への鍵を握っていると言えるだろう。

はっきり言って、このような日本車は今までなかった。実は、クラリティは「3 in 1コンセプト」と言って、世界で初めて同一プラットフォームに燃料電池車、電気自動車、プラグイン・ハイブリッド車という3種類の電動パワートレーンを採用した車種になっている。

「1台に3種類」というEV仕様はアメリカにしか登場しておらず、燃料電池車仕様は日本ではほとんど売れていない。やはり、 ホンダはPHEV仕様がメインの車種になると最初からわかっていた。

その性能と走りはいかに?

では、なぜホンダはこんなクルマを作ったのか、と聴きたくなる読者もいるだろう。それは、この3種類の電動パワートレーンこそ、これからの世界が求め、もっとも使われる動力方法になるだろうと予測したからだ。PHEVはとても売れているし、EV車もどんどん市場に現れてきているが、インフラやコストも問題で、一般ユーザーはまだ燃料電池仕様には関心が低い。



簡単にPHEVのシステムを紹介しよう。3モーター・ハイブリッド・システムを採用すると同時に、バッテリーを充電する役割を持つガソリンエンジンは1.5Lの4気筒。基本的に、このクルマは電気モーターだけで走行するけど、バッテリーが切れそうな時だけ、エンジンが自動的にかかってバッテリーを充電する。つまり、バッテリー残量が少なくなっても、発電や駆動のためにエンジンが作動することで、もっと遠くまで走り続けられる。

EV走行距離は、114.6kmで、今の世界基準のWLTCモードで24.2km/L、とホンダは言うけど、リアルワールドでの走行距離は100kmをきっている。

さて、クラリティPHEVの走りはどうなのか?

スタートボタンを押すと、普通のEVの用にシステムは立ち上がる。184psを発揮する電気モーターを積んでいるので、普通のガソリン車とは違って、アクセルを踏んだ途端、瞬間的に無駄なく発進する。車重は割と重い1850kgにも関わらず、静かな「ジュワー」と言うモーターの音を聞きながら、3LのV6並みの加速性と言える。
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文=ピーター・ライオン

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