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「30 UNDER 30 JAPAN 2019」 受賞イベント

Forbes JAPANは9月12日、世界を変える日本の30歳未満の30人「30 UNDER 30 JAPAN 2019」の受賞イベントを六本木にあるMercedes Me Tokyoで開催した。

ビジネス、スポーツ、アートなど、各分野で世界を舞台に活躍する30歳未満を選出する「30 UNDER 30」は、Forbes US版で2011年に始まり、過去にはフェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグやアーティストのケンドリック・ラマーなど、時代を動かす若い才能が選ばれている。

日本版としては2018年に初めて選出。2年目となる今年は、「Find Your Color(自分の色を見つけよう)」をテーマに10カテゴリーから合計30人を選出し、8月23日に受賞者を発表した。

起業家、政治家、アスリート、アーティスト……。周囲に反対されても、環境に恵まれなくても、夢を貫いて行動に移し結果を出す彼らの原動力、共通点はなんなのか。12日のイベントは「Doers(=行動者)」をコンセプトに掲げ、受賞者とアドバイザリーボードによるトークセッションを通じ、その「行動力」の秘密に迫った。



伊藤健太郎が「残したいもの」

30 UNDER 30 JAPAN 2019は、ビジネスライフスタイルブランド「モンブラン」を公式スポンサーに迎え、特別賞を新設。イベントでは、同賞を受賞した俳優の伊藤健太郎が登場し、30 UNDER 30のアドバイザリーボードも務めたスマイルズ代表の遠山正道、hey代表の佐藤裕介、書家の紫舟とともにトークセッションに登壇した。



4人はともに、モンブランが「各分野で自らの道を切り拓き、揺るぎない足跡を刻んでいる人」を選出するMark Makerにも選ばれており、セッションでは“Mark”にちなんで「どんなマークを残したいか」が語られた。

伊藤が残したいものは「記憶」。「小学生の頃、不揃いのりんごたちに出ていた中井貴一さんの記憶がすごく残っている。僕も何十年か経った時に、今の小さい子たちが“伊藤健太郎”という役者を覚えていてくれるようなお芝居をしたい。そういう魅力的な人間になりたい」と語った。


左から佐藤、紫舟、遠山。それぞれ残したいマークは「小さなことが不利にならない世界」、「未来の病院 その処方箋はアート」、「個人という産業」だという。

消費者を「参加者」にしていく

30 UNDER 30受賞者は、既存のルールや枠組みにとらわれず、新たな市場や分野を切り拓いている者も多い。そこに障害はつきものだ。壁にぶつかったとき、思うように進まないとき、彼らはどのようなアプローチをとるのか。

昨今話題のフードロス問題に取り組むコークッキングCEOの川越一磨、ファッション×テクノロジーの可能性に挑むスペキュラティブ・ファッションデザイナーの川崎和也、一般社団法人RCF代表理事の藤沢烈(アドバイザリーボード)が登壇したセッションでは、「ルールを変える力」が語られた。


左から)モデレータ Forbes JAPANの井土亜梨沙、藤沢烈、川越一磨、川崎和也

「『捨てていい』を、『捨てない方がかっこいい』に価値を変えていく」「ファッションだからって、パリコレでショーをするど真ん中でなくてもいい」「ルールは一人じゃ変えられないから、消費者を参加者にする」など、今当たり前になっている価値や意味、概念を変えていくという意見で三者が一致。

そのうえで、「政治を動かすときには、議論を生むような際どい問いを設定すること」「言葉でけでなく、スライドでもなんでも、モノにして見せることが大事」など、具体的なコツも語られた。



自分の言葉でなく「相手の言語」で対話する

では、関心すら持ってくれない相手はどう巻き込んでいくのか。最後のセッションは、「無関心に訴えかける力」をテーマに、ヘラルボニー創業者の松田崇弥・文登、InternetBar.org.ディレクターの安田クリスチーナ、一般社団法人ユースデモクラシー推進機構代表理事の仁木崇嗣が登壇した。


(右から)安田クリスチーナ、松田崇弥・文登、仁木崇嗣、井土亜梨沙

主にバングラデシュを舞台に難民支援に取り組む安田が、「全員が同じ関心を持つのは無理。2:8の法則。関心を持ってくれる2割をどう見つけ、どうアプローチし、その関心を高めていくか」と重要だと話すと、知的障害xアートという抽象的な分野を扱う松田兄弟は、そのアプローチ手段として「アートなど抽象度の高いものは、モノに落とし込まれていることが大事」だとそのポイントを語る。


ヘラボルニーでは知的障害者のアートをハンカチなどの商品にし、TOMORROWLANDなどで販売している。

アプローチにはあらゆる方法がある。SNSで拡散させるのか、対面で深く関わるか、自分の言葉で伝えるのか、相手の目線に合わせるのか。そして、それらのコミュニケーションにおいてアートやテクノロジーはどう活用できるのか。ユーモアも交えて話される実体験の中には多くのヒントがあった。

安田はセッションの締めくくりに、2016年の米大統領選を操ったとされるケンブリッジ・アナリティカの事件をあげ、「彼らは無関心な層をターゲットに絞り、特定の情報を与えて、意見を傾かせた。それも一つの無関心に訴える力かもしれないけれど、皆さんにはどちらでも意見を持ってほしい。それが行動に繋がるし、操られないことにもつながるから」とメッセージを送った。



熱量の高いトークセッションとともに参加者をひきつけていたのが、モンブランのブースで披露されたカリグラファーのMIKITYPEによるライブパフォーマンスだ。また、30 UNDER 30の受賞者も回答した「あなたが3年後に成し遂げたいこと」を記すコーナーもあり、来場者が自分のビジネスやビジョンに思いを巡らせ、筆を走らせていた。



トータル約3時間という長丁場ではあったが、セッションの合間には受賞者同士が意見交換をしたり、来場者との間でビジネスアイデアが話されたりと、積極的なアクションが次なる30 UNDER 30の誕生も予感させる一夜となった。

文=佐藤かな子 写真=小田駿一、鈴木久美子(GEKKO)

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