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喰い改めよ!!

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うまみとは何か。この問いに答えられる人はどれくらいいるでしょうか?

このコラムを読んでいるフォーブスの読者であれば、今取り組んでいるビジネスについての美味しい部分、つまり、儲かる可能性を連想する人も多いのではないかと思います。

では、本来のうま味、味覚におけるうま味はとはなんでしょうか。

甘味・酸味・塩味・苦味とならび、「基本五味」の一つあるうま味が科学的に解き明かされたのは1907年のこと。東京帝国大学理学部化学科(現在の東京大学理学部化学科)の池田菊苗さんが、昆布の中からグルタミン酸を発見したことがその始まりです。

それから約80年後、1985年に開催された第1回うま味国際シンポジウムを機に、うま味(UMAMI=英語表記)という用語が国際的に使用されることになりました。うま味は日本発、グローバルな言葉として世界で知られています。

なぜ「干し椎茸」は味が違うのか?

うま味を構成する成分はいくつかあり、代表的なものとしては「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」「コハク酸」の4つがよく知られています。グルタミン酸はたんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の中の一つ。イノシン酸、グアニル酸、コハク酸は核酸に分類されます。

具体的にどんな食材に含まれているかと言うと、グルタミン酸は、昆布、トマト、玉ねぎ、ブロッコリー、マッシュルームなど植物の中に、一方イノシン酸は、イワシ、カツオ、マグロ、鶏肉、豚肉などの動物性の中に多く含まれます。

干し椎茸、乾燥ポルチーニ茸などの干されたキノコの中に多いのがグアニル酸。面白いことに生の椎茸はグルタミン酸ですが、干し椎茸はグアニル酸。料理や食事をしていると、生の椎茸と干し椎茸が味が違うことに気づくと思いますが、それはうま味成分が違うから。干し椎茸を使うと深みが出るのは、こういう理由なのです。

そして、あさり、しじみ、牡蠣などの貝類の中に多いのがコハク酸。だから貝の味噌汁を作るときは、昆布や鰹節などで出汁を引かなくても美味しくできるのです。世界中の遺跡には貝塚が存在することからも、昔から人類がうま味を好んでいたのもわかります。

現代社会に「うま味」が必要な理由

ではなぜ、僕がうま味の摂取をすすめているかと言うと、そこに心身ともに健康になるカギがあるからです。うま味の効果は、具体的には、以下の5つが挙げられます。

1. 過食を抑え、肥満を防止
2. 消化を助ける
3. 減塩効果
4. 降圧効果
5. うま味の相乗効果

そのメカニズムとして、僕が興味深く思っているのは、うま味のあるものを食べると「胃の中にある味覚レセプター」が反応し、ホッとするということ。一般的に美味しいとされるものに多く含まれる、砂糖・塩・脂肪が「脳」を刺激し、「もっと食べたい」と中毒性を引き起こすのと真逆です。


店で実施している味覚テスト。あなたはトマトと何を合わせると美味しいと感じるでしょうか?

例えばおばあちゃんが作ってくれる郷土料理は、食べるとホッとしませんか? 郷土料理は、その土地の先人が未来のために考えた「保存食+季節の食材」の組み合わせで、その中には、保存食が持つうま味と、旬の食材が持つ「薬」にも変わる力が溶け込んでいます。

そういう食事を摂ることで、精神が安定する。その安定というベースが、「足りない」という不安や不満を和らげて「欲」を正常に保ってくれる。すると、仕事でも生活でも自分らしいバランスが保てるようになるのではないかと思います。

「うまみ、うまみ」ばかり言ってると、いやらしい金儲けばかり考えているように聞こえるかもしれませんが、うま味が人類に与える影響は計り知れません。


そこで、その一部でも実感いただこうと、Forbes JAPANとセミナーを開催することが決まりました。原宿にあるKEISUKE MATSUSHIMAのお店で、これまで連載でお伝えしてきた「食」のエッセンスを共に学べたらと思います。「味覚」を研ぎ澄まし、「食」について考える2時間。ぜひご参加ください。

Forbes JAPAN x 松嶋啓介
「おとなの味覚共育 〜欲とうま味〜」



開催日:10月10日(木)
時間:19:00〜21:00(18:30〜受付)
会場:KEISUKE MATSUSHIMA TOKYO(原宿)
参加費:15,000円(税込)※払い戻し不可
    *セミナーの内容に合わせた軽食、フリードリンク付
定員:20名
申し込み方法:以下よりチケットをご購入ください
https://keisukematsushima-fj.peatix.com/view

文=松嶋啓介

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