テクノロジー

2019.09.05 15:30

iPhoneハッカー集団、AndroidとWindowsも標的に 狙いはウイグル人

Gettyimages

グーグルが先週発表したアップルのiPhone(アイフォーン)に対する前代未聞のハッキングが、当初考えられていたよりも広範囲に及んでいたことが分かった。匿名で取材に応じた複数の関係筋によると、ハッキングの対象にはグーグル自身が開発したAndroid(アンドロイド)OSやマイクロソフトのWindows(ウィンドウズ)OS搭載PCも含まれ、中国の少数民族ウイグル人のコンピューターやスマートフォンを感染させることを目的としていたという。

中国政府は長年にわたりウイグル人を抑圧しており、特に新疆(しんきょう)ウイグル自治区ではウイグル人に対する監視が広く行われている。関係筋の一人は、AndroidとWindowsに対する攻撃がiPhoneへのハッキングを行ったものと同じウェブサイトを通じて行われたかどうかは分からないが、同じ作戦の一環として実行されたと述べている。

またサイバーセキュリティー企業Volexity(ボレクシティー)も2日の発表で、ウイグル人のAndroid端末が大規模なサイバー攻撃を受けていたことを明らかにした。同社は「ボレクシティーが確認できるのはウイグル系ウェブサイトを通じAndroidを標的としたマルウエアのみだが、これらと同じ攻撃活動がアップルやマイクロソフトのユーザーに対する攻撃にも簡単に利用できたとの推測は理に適っている」と述べている。

標的にAndroidとWindowsが含まれていたという事実は、今回のハッキングが2年間にわたり行われた大規模な取り組みの一環であり、アップルの携帯電話に限らず、当初考えられていたよりもはるかに多くの端末を感染させていたことを示唆している。関係筋の一人は、ハッカー集団がウイグル人たちの使用する端末の変化に合わせ、攻撃対象として異なるOSを徐々に加えていったとの見解を示した。

グーグルは今のところコメントを出しておらず、問題のサイトが他のOSも標的にしていたことを同社が把握していたかどうかや、関係者に通達していたかどうかは不明だ。関係筋の一人は、グーグルが把握していたのはiOSに対するハッキングのみだと説明。またマイクロソフトの広報担当者は、グーグルから自社への情報提供はなかったと述べている。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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