では、「クルマ」はどうだろうか。
過去の消費増税を見ると、1997年(3%→5%)と2014年(5%→8%)はいずれも激しい駆け込み需要が見られたが、今回はあまりヒートアップしていない印象だ。
今回は、その理由と、知っておきたい自動車保険のポイントを見ていこう。
消費税率は「ナンバープレート交付」のタイミングで判断
クルマの場合、今から急いで販売店に出向いても、消費税率8%で買えるかどうかは微妙なところだ。なぜなら、クルマを買うときの税率が決まるのは、「購入日」ではなく、登録申請の手続きが完了して車検証やナンバープレートが「交付」されるタイミングだから。
クルマの買い替えには、必要書類の取得など手続きに1~2か月かかることもあるため、9月末までに登録が間に合わなければ消費税10%が適用されることになる。
けれど、どうしても税率8%で購入したいのならば、戦略的な工夫もできる。
まず、新車は在庫切れのこともあるため、中古車(登録済み未使用車)まで選択肢を広げてみるのも手だ。一度誰かの手に渡ったクルマなら、ディーラーや中古車販売業者が所有者となり、新車とほぼ同レベルのコンディションでありながらも中古車扱いとなる。価格も10万円以上割安になることが多く、ねらい目だ。
また、買い替える際の売却と購入を同じ店舗で行えば、さまざまな書類をやりとりする手続きがスムーズになり、時短効果が見込めるだろう。
しかしながら、それだけがんばっても、消費増税前の購入が「最善」だったと単純には言いきれないだろう。なぜなら、消費増税に合わせて、自動車関連の税金も大幅に変更になるからだ。それも含めて判断すると、増税後の購入のほうが有利になるケースもあるので、注意しよう。
自動車関連税が変わることも視野に入れて損得を判断
2019年10月には、自動車関連の税金にいくつか大きな動きがある。
まず、「自動車取得税」の廃止だ。これまで、車の購入時には、新車・中古車に関係なく、原則として取得価格の3%(軽自動車は2%)の「自動車取得税」がかかっていた。これが廃止になることに加えて、「自動車税」も引き下げられることが決まっている。