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テクノロジー、eコマース担当ライター。

a1ik/ bigstock.com



 先日、“商品が1時間以内に届くサービス”Prime NowをNYのマンハッタン全域に拡大したアマゾンだが、同社にとって念願の「ドローン配達」も一歩現実に近づいた。

 3月19日、米連邦航空局(FAA)はアマゾンの無人機に対し、実験的耐空証明書を発行。これにより同社が計画中のドローンを用いた配達(Prime Air)に向けたテスト飛行が、一定の条件下ではあるが認められた。

 ジェフ・ベゾスCEOがドローン配達プロジェクトを正式に発表したのは2013年12月。CBSのドキュメンタリー番組「60ミニッツ」のインタビューでのことだったが、ここに来てようやく前進が見られたと言える。

 ただし、今回のFAAの認可はアマゾン側の大勝利とは言い難い。厳しい制限が設けられており、同社が望む「歯ブラシやトイレットペーパーを顧客のドアに届ける」サービスの実現には及ばない。

 規定によると、商用利用向けにドローンを飛ばす場合は自家用セスナ機と同様の、飛行機の操縦資格を持っていることが必要。一般のドローン愛好家らがそのような規制を受けない一方で、厳しすぎるのでは、といった見方も浮上している。

「今回FAAがアマゾンに与えた承認は、ドローンのテスト飛行をボーイング747並みの厳しい基準で許可するものだ」と話すのは、Kramer Levin弁護士事務所のブレンダン・シュルマン氏。
「今回の措置はアマゾンにとっては前進だが、ドローンの業務利用への道は、依然として法規制でがんじがらめだ」

 シュルマン氏によると「FAAの規制はあまりに厳しすぎる」という。操縦免許が必要なだけでなく、ドローンは400フィート(120メートル)以下を飛行することが求められる。しかも、飛行範囲は「操縦者が目視できる範囲」に限られている。

 アマゾンはワシントン州に広大な土地を所有しているが、そこでサービス導入に向けた実験を行うことも難しいだろう。なぜなら、アマゾンが実現を目指すドローン配達は、操縦者から何マイルも離れた地点に商品を配達することを想定しているからだ。

 FAAは先月になってドローンの商用利用に関するガイドラインの草稿を公開。現在、法制化への議論が進められているが、草稿にはドローンの操縦者が特定の筆記試験をパスすることや、ドローンの重量は55ポンド(約25キロ)以下であること、飛行高度は500フィート(約152メートル)以下と記されていた。

 一方でFAAは特定の業界向けにはその規則を“例外的に”緩和しようともしている。鉄道の補修調査や建設現場の調査などの目的だ。

 ドローンメーカーの 3Dロボティックス、CEOのクリス・アンダーソン氏は「規制の緩和は良い方向に向かっている」と述べている。
同社のドローンは既にそれらの“例外的な”用途にも使用されている。「今回の措置は暫定的なものにすぎない」とアンダーソン氏は言う。

 その一方、アマゾンや3Dロボティックスなどのドローン推進企業は政治家らに働きかけるロビイスト集団を結成。ワシントンDCでSmall UAV Coalition(小型無人飛行機連合)とグループをつくり、議員らにドローンの可能性を啓蒙する活動も開始した。

 先月行われた会合にはグーグルやGoProらの代表者も参加。50名の議員らと会合を行った。アマゾンからは同社の国際パブリックポリシー部門の代表者、Paul Misener氏が出席した。

 ドローン配達の実現に向け、アマゾンはどこまでFAAの規制を緩められるのだろうか。現状の基準ではアマゾンは毎月、ドローンの飛行時間や飛行回数、トラブルの発生回数など、事細かなデータの提出を求められる。関係者の間では、FAAの「お役所仕事」ぶりに対する批判の声もあがっている。

 前出のシュルマン氏はこの状況を次のように分析する。
「企業の立場でみると、FAAのやり方は全く理にかなったものとは言えない。イノベーションを起こそうと、躍起になっている企業が新しいことをやろうとするたびに、FAAの承認が必要になってしまうんだ」

文=ライアン・マック、フランク・ビー(Forbes)/ 翻訳編集=上田裕資

 

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