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AntonMatveev/ Bigstock.com



中国は「大気汚染大国」と呼ばれる不名誉な地位から、脱却を図ろうとしている。

大気汚染を減らす新しい技術の採用を進め、スマートグリッドや太陽光発電、バイオマス、Unconventional Oil(非在来型石油)、クリーンコール、燃料電池、さらに次世代の原子力発電の導入を推進している。

中国のエネルギー関連の国営企業(SOEs)はグローバル化を進めており、欧州と中国を結ぶ「シルクロード経済ベルト」により、その関係はさらに緊密になっていくだろう。

筆者は最近中国を訪れたばかりだが、エネルギー業界のリーダー達は楽観的で、現在の不安定なエネルギー価格の状況下においても自国や海外での投資には強気の姿勢だった。

現在の中国は世界のエネルギー消費量の22%超を占め、CO2排出量では27%を超えている。しかしながら、20~30年以内には、この国はクリーン・エネルギーの分野でも世界のリーダーになれるかもしれない。

2013年の中国の再生可能エネルギー分野への投資額は全世界の21%を占め、他国と比べて太陽光発電への投資は2倍近く、風力発電への投資は5倍以上に及ぶ。

中国の風力発電設備容量は世界最大で、太陽電池モジュールの製造でも世界トップ。水力発電量も世界一を誇る。また原子力発電分野も拡大路線を維持している。第3世代、第4世代と呼ばれる新しい原子炉を採用し、建設期間を従来の56か月から48か月に短縮しようとしている。この動きは、ヨーロッパ諸国のはるか先を行っている。

しかし、現在の中国が最も力を注ぐ分野はCO2規制だ。2030年までには石炭火力発電からのCO2排出に終止符を打とうとしているが、もっと早い段階で実現するかもしれない。現在の中国はエネルギー生産の80%を石炭に頼っているが、この分野でも大きな変化が訪れるだろう。

大気汚染は特に首都、北京で深刻だ。農村部からは年間二千万人が都市に移動してくるが、どうすればその雇用を創出できるかという問題も、今後の中国の課題と言える。

そんな中国は今後、国際社会の中でどういうポジションを目指すのだろうか。

中国は国営企業のグローバル化を推進しているが、それは国際的なブランドの確立が必要だからだ。中国のエネルギー企業は世界のトップ10~20に入っているが、未だエクソンモービルやシェルのようなグローバル・ブランドには育っていない。

一方、中国の海外投資は、エネルギー供給施設の買収から、発電施設の建設や、エネルギー輸出の分野にシフトしている。海外の石油化学企業らと戦略的パートナーシップを結び、新たな供給源の創出と市場の開拓を行っているのだ。

最近ではカナダのエネルギー企業ネクセンを中国企業が買収したが、ポルトガルやギリシャでもその動きは進んでいる。今後はマレーシアやベトナム、モンゴル、ロシアといった国々でも同様な流れが加速すると見られている。

潤沢な資金を有する中国はシェールガスの開発にも乗り出すとみられている。複雑な地質条件や採掘に必要な水の不足といった困難はあるが、国営石油企業のSinopec とCNPCは既に四川省でシェールガスの採掘実験も行っている。政府からの潤沢な支援と補助金制度も強みになりそうだ。

エネルギー分野では既に世界の主要プレーヤーである中国が、今後15~20年の間にクリーン・エネルギーの分野でも世界のリーダーになれるかどうか。今後の動きに注目したい。


※筆者のJean-Marc Ollagnier氏はアクセンチュアの資源部門の最高責任者である。

文=クリストファー・ヘルマン, ジーン・マーク・オラグニエ(Forbes)/ 編集=上田裕資

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