ABGはモハメド・アリから元NBA選手のシャキール・オニールまで、様々な著名人のブランドを保有している。同社の創業者でCEOのジェイミー・ソルターは今回の買収に際し声明で次のように述べた。
「スポーツ・イラストレイテッドはスポーツ関連メディアで最も強固なブランドとして知られる。この分野を代表するプリントメディアの資産は今後、デジタル分野やソーシャルメディアで巨大な機会を創出可能だ」
ABGは今後、スポーツ・イラストレイテッドのブランドをイベントやギャンブル、eスポーツ分野などで活用する。メレディスは2018年9月に「タイム」誌を1億9000万ドルでセールスフォースに売却していた。その後、「フォーチュン」や「スポーツ・イラストレイテッド」も売却したメレディスは2019年度に約4億5000万ドルの追加収益を計上することになる。
スポーツ・イラストレイテッド編集長のChris Stoneは「当社は今後もメディアとしての独立性を保ちつつ、ABGとの協業でブランド価値の向上に務めていく」と述べた。
ABG創業者のソルターは現在56歳。彼は1980年代からスポーツ用品の販売を始めた後、ライセンス事業を始動した。そして2010年に2億5000万ドルをジョージ・ソロスやウォルマートの創業者一族のウォルトン家から調達し、ABGの事業をスタートさせた。
2015年に1億5000万ドルを投じエルビス・プレスリーやモハメド・アリの権利を入手したABGは、マリリン・モンローのグッズのマーチャンダイズも行っている。ソルターがブランド運営を手がけるスターらは、フォーブスの「死後も稼ぎ続ける著名人」ランキングの常連だ。
しかし、彼が関心を持つのは世を去った著名人ばかりではない。ソルターは、2015年にシャキール・オニールと契約を結び、彼の名を冠したスニーカーブランド「Shaq」の共同運営も行っている。