フォーブス ジャパン コミュニティプロデューサー

ニューヨークタイムズの全面広告

5月21日のニューヨーク・タイムズの全面広告に、6社による中絶の選択肢を支援する声明が発表された。

「中絶は人権だ」と始まる文章では、6社それぞれの女性起業家による共同声明とそれらの企業の創業者やCEOのサインが書かれている。



紙面に書かれた文章は、以下の通り。

中絶は、人権だ
    合憲だ
    個人的な選択だ
    ヘルスケアだ
    命を救う
    ジェンダーの平等だ
    身体の自己決定権だ
    犯罪ではない
    議論の余地がない


アメリカ企業が声をあげる時がきました。女性として、ビジネスリーダーとして、みなさんに日々、選択権があることを支持します。

アメリカの企業は長い間、リプロダクティブヘルスやリプロダクティブライツ(性と生殖に関する健康とその権利)について沈黙を続けてきました。それは変えなければいけません。

私たちは今日、大きな声で強く主張します。私たちが基本的人権を守るために沈黙しないことを、そしてビジネス界の人たちに同じように行動するように訴えることを。今、声をあげるべき時が来たのです。

(共に戦えば、)このような憲法違反の権利侵害を打ち負かすことができるのです。

愛を込めて



6社がこのような異例の共同声明を出した理由は、14日にアメリカ・アラバマ州の人工妊娠中絶を全面的に禁止する法律が可決されたからだ。翌日ケイ・アイヴィー知事が法案に署名をし、法案が成立した。強姦や近親相姦による例外も認められず、「最も厳しい中絶禁止の法律」といわれている。賛成した議員は全員白人男性だった。

アメリカでは歌手のリアーナやレディー・ガガ、女優のエマ・ワトソンなどのセレブリティをはじめ、人権団体など多くの人が中絶反対は人権侵害に値すると批判している。

法案が成立してから約1週間でできあがった全面広告は企業による力強いメッセージが書かれている。6社はすべて女性によって起業され、タブーとされるようなセクシュアルグッズや生理用品などを取り扱っている会社だ。今回の法案成立を機に日々ジェンダーの平等と戦ってきた彼女たちが手を取り合って、自分たちの立場を明確にした。

6社に名を連ねた1社、女性向けのセックストイを生産・販売するDame Productsのジャネット・リーバーマンさんは、Forbes JAPANの取材に対しこう答えた。

「アメリカは世界で最も自由で発展している国だと思われていますが、妊産婦死亡率は高いとされています。今回の法案は女性のヘルスケアの問題を解決するどころか、彼女たちの選択肢を狭めています。女性のセクシュアルウェルネス(性的健康)をサポートする企業として、声をあげなければいけないと感じました」

6社の企業は、以下の通り。
Clary Collection(オーガニックスキンケアの生産・販売)
CORA(ナプキンやタンポンなどの生産・販売)
Dame Products(女性向けセックストイの生産・販売)
Fur(ヘアケアグッズなどの生産・販売)
Sustain Natural(タンポンやコンドームの生産・販売)
LOOM(生理から子育てまでの教育サポート)
THINX(経血を吸収する生理用下着の生産・販売)

それぞれのインスタグラムアカウントには、ユーザーへのさらなるメッセージが投稿されている。

文=井土亜梨沙

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