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英国のフードデリバリー企業「デリバルー(Deliveroo)」は5月17日、アマゾンの主導で5億7500万ドル(約633億円)を調達したとアナウンスした。

スイスのUBS銀行は2018年6月のレポートで、フードデリバリー市場が2030年までに3650億ドル(約40兆円)規模に拡大すると述べていた。アマゾンは自社のフードデリバリー事業「Amazon Restaurants」で苦戦したが、この分野を諦めていない。

アマゾンはウーバーイーツを追撃する形で、2015年にAmazon Restaurantsを立ち上げた。しかし、同社は英国でのサービスを昨年停止し、Amazon Restaurants の提供エリアは現在、米国の25都市のみとなっている。

対照的にウーバーイーツは、世界中の600都市で利用可能だ。そんな中、ウーバーとアマゾンらは以前からデリバルーに目をつけ、同社の買収を画策中だった。英フィナンシャル・タイムズは昨年、ウーバーがデリバルーに買収提案を行ったと報じていた。

アマゾンも2018年9月に、デリバルーを買収しようとしたと、英テレグラフが伝えていた。その後、交渉は不調に終わり、デリバルーはアマゾンからの資金調達を選択した。

ただし、デリバルーの前途には熾烈な競争が控えており、同社は黒字化を果たせていない。デリバルーの2017年の売上は前年の2倍の3億5200万ドルに達した。しかし、損失も2億3500万ドル(約260億円)に膨らんでいた。

さらに、欧州のフードデリバリー市場は競争が激化している。2017年6月にフランクフルト証券取引所でIPOを果たしたベルリン本拠の「デリバリー・ヒーロー(Delivery Hero)」の時価総額は87億ドルに達している。

デリバルーは現在、14カ国で営業中だが、デリバリー・ヒーローは40カ国以上で展開中だ。提携レストラン数もデリバルーが約6万店であるのに対し、デリバリー・ヒーローは25万店を超えている。

さらに、ベルリンではロケットインターネットが2015年4月に「フードラ(Foodora)」を買収していた。フードラは22カ国の260都市に展開中で、提携レストラン数は3万6000店となっている。

また、アムステルダムの「Takeaway.com」やロンドンの「Just Eat」も既に上場を果たしており、時価総額はそれぞれ47億ドルと54億ドルに達している。

デリバリー・ヒーローもロケットインターネットの出資を受けており、同社はドイツ事業を2018年12月、11億ドルでTakeaway.comに売却していた。

これらの動きから見えてくるのは、欧州のフードデリバリー市場で熾烈な競争が続き、ウーバーイーツに先駆けて、スケールを拡大しようとしていることだ。

編集=上田裕資

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