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I write about Uber, the sharing economy and startups.

Photo by Matthew Horwood/Getty Images

2009年にウーバーが事業を開始した当初、この企業が食事の宅配で売上をあげるようになるとは誰も想像していなかった。しかし、約10年が経過した今、同社のフードデリバリー部門である「ウーバーイーツ(Uber Eats)」は巨大な存在感を誇っている。

ウーバーCEOのダラ・コスロシャヒは、ウーバーイーツが今年、世界で100億ドル分の食事を宅配する見込みであり、昨年から60億ドルの増加になると述べている。

ウーバーはレストランから注文額の30%のマージンを得ており、運転手に支払う賃金等を相殺すると、ウーバーイーツの今年の売上は少なくとも10億ドル(約1100億円)を超えることになる。

ウーバーイーツは既にフードデリバリー分野で世界最大の企業の1社となり、米国でトップのGrubhub(2018年に推定10億ドルの売上)に次いで2位につけている。

「私がウーバーの経営に参加した頃、ウーバーは配車サービス以外の領域でも大きなポテンシャルを秘めていると感じていた。イーツは今後大きく伸びると思っていたが、その後は実際に、爆発的に伸びた」と2017年8月にウーバーCEOに就任したコスロシャヒは話した。

ただし、売上は伸びているものの、ウーバーイーツは赤字で、黒字化の見通しもまだ立っていない。2014年に当時のトラビス・カラニックCEOの下で、イーツを立ち上げたJason Droegeは「投資家からは、フードデリバリー市場は競争が激しいからやめておけといわれた。でも、自分たちの仮説ではこのビジネスモデルは成り立つと思えた」と話す。

フードデリバリーは非常に利幅の狭いビジネスではあるが、最大の競合であるGrubhubは既に黒字化を果たしている。さらに、この分野ではスクエアが買収したCaviarやPostmates、DoorDashらが巨額の資金を調達したほか、アマゾンも将来の成長を見据えている。

2014年にカラニックにスカウトされて、ウーバーにやってきたDroegeは当初、「ウーバー・エブリシング」という、かなり雑なネーミングの部署の主任を任された。バーベキューで使う食品やアイスクリームの宅配の実験を重ね、ようやく手応えを感じられたのがその年の7月4日のことだった。

サンドイッチやドリンクの詰め合わせを載せた車両を町の各所に配置したところ、独立記念日のパレードを楽しむ人たちから歓迎された。その翌月、ロサンゼルスでサービスを開始した際には、1時間半の間に数百件の注文が舞い込んだ。

その後、ウーバーイーツは競合の少ないトロントで2015年に正式にサービスを開始。ニューヨークなどの大都市を避け、マイアミやヒューストン、タコマなどに拠点を拡大していくなかで、2017年を迎える頃には一部の地域で黒字化を達成した。

翻訳・編集=上田裕資

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