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大手出版社から刊行されるロマンス小説の作家のうち、有色人種はたったの7.7%──。そんなデータが米国唯一のロマンス小説専門書店「The Ripped Bodice」の調査によって明らかになった。

同店が3年前から毎年発表している「The State of Racial Diversity in Romance Publishing Report」(ロマンス小説出版における人種ダイバーシティの現況報告)は、ロマンス小説家1000人以上の人種構成を調査したもの。

ロマンス小説は、女性の作家が女性の経験をポジティブに物語ることができる貴重なジャンルだが、その声の主が一部の女性に偏っていることを危惧したオーナーのLeahとBea Koch姉妹が独自にデータを集計し、公表してきた。

2018年のデータが掲載された最新版のレポートによると、調査対象となった出版社20社のうち18社で刊行されたロマンス小説の90%以上が、白人の作家によるものだった。

この状況は3年前からほとんど変わらず、有色人種の作家の割合は2016年が7.8%、2017年が6.6%、2018年が7.7%と低いままだ(2018年、有色人種の作品が最も多かったのはニューヨークのKensington社で22.8%、最も少なかったのはミネソタ州のBethany House社で0%)。

一方、姉妹の書店で2018年最も売れたロマンス小説10冊のうち80%は、有色人種の作家による作品だったという。姉妹はレポートの中で「確かなデータによって、ロマンス小説の出版界には構造的な人種差別があるという有色人種の作家たちの長年の主張を裏付けたかった。しかし、3年間で進展が見られないことから、出版界にこの数字は響いていないと考えられる」と述べている。

ダイバーシティといえば、出版界には人種の不均衡だけでなく、ジェンダーの不均衡も存在する。3月中旬、英国の教育系出版社ピアソンは、昨年に続いて同社の男女賃金格差に関するレポートを発表した。同レポートによると、2018年の格差は14%であり、前年の15%からわずか1%の減少に留まった(英国全体の2018年の男女賃金格差は17.9%)。

ピアソンはプレスリリースの中で「上級職の女性が少ないことが主な原因である」としている。

同社の人事の責任者であるAnna Vikström Perssonはレポートの内容について、「我が社は前進しているものの、目標達成にはほど遠いことを示している」とコメント。さらに「ジェンダーの多様性を社内全体で実現するには長い時間が必要だ。今後もダイバーシティとインクルージョンを推進するという強い決意のもと、多様性のある職場環境づくりを進めていくつもりだ」と強調した。

編集=上田裕資

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