仏政府は最近、国民に対しアルコールの消費量を1晩2杯に減らすよう奨励する取り組みを始めた。こうなると、人々はアルコールフリーの飲み物を考えるようになるかもしれない。
ノンアルコール飲料の市場は復活を遂げている。これは、従来型のソフトドリンクではなく、本来ならアルコールを含む飲み物を置き換える製品だ。面白いスタートアップ起業が相次いで誕生しているのに加え、多くの大企業が米国や欧州各地で、大きな利益をはらむ同市場で争いを繰り広げている。
このトレンドのけん引要素はいくつか存在する。1つ目は、健康的なライフスタイルを求める世間一般の傾向で、これは飲食品業界に明らかなドミノ効果をもたらした。健康・食品情報サイトのヘルシイッシュ(healthyish)に先日掲載されたエッセーでは、健康産業が米市場を後押しし、より健康的な飲み物の選択肢が出てきていると指摘。執筆者のジュリア・ベインブリッジは次のように述べている。
「米国におけるボトル入り低アルコール・ノンアルコール飲料は2018年~22年の間に約32%成長する見通しで、これは同分野の過去5年間の成長率の3倍に当たる」
とはいえ、人々がアルコールを飲まなくなったわけではない。世界ではアルコール消費がいまだに盛んだが、酒市場は特に米国では停滞している(ただまたベインブリッジによると、消費者の傾向は飲酒量を増やすよりも質の良いアルコールを買う方に移行している)。一方、アルコールフリー飲料の分野ではブームが起きている。
飲酒の頻度や全体的な飲酒量が減っているのは明らかだ。人々は夜に飲みに出かけた際、アルコールとノンアルコールの飲み物を交代で飲んでいるのかもしれない。つまりバーや店で提供される飲み物には、どこにでもあるバージン・メアリー以上の選択肢が求められているのだ。