最高の上司とは、チームや困難な状況、成功や失敗、敵や味方から学び続け、常に改善を重ねる人だ。あなたの世界で起きる全てのことには何かしら学ぶことがある。これこそ、スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授(心理学)が「成長のマインドセット」と呼ぶものだ。
しかし、そのためには自己学習や開発に熱意を注ぐことが必要だ。自分が知らないことは何もないと思い込み、学習をやめてしまうことは、リーダーシップの落とし穴の一つだ。この罠にはまるのはいとも簡単で、そうなれば行き詰まりを経験し、新たな冒険や好奇心は持てなくなる。
ハーバード・ビジネス・レビュー誌に2015年に掲載された記事「The Best Leaders Are Constant Learners(最高のリーダーは継続的な学習者)」では、執筆者のケネス・ミッケルセンとハロルド・ジャーキが次のように述べている。
「私たちには、ネットワークで結ばれた創造的な経済への移行を試みる中で、学習を奨励し、自分でも素早く適切に、そして自律的に学習できるリーダーが必要だ。私たちが直面している危険な問題に対処する方法は他にはない。仕事が学習で、学習が仕事だとすれば、リーダーシップに大切なことは学習を可能にすることであるべきだ」
あなたの次のプロジェクトは自己改善
仕事でプロジェクトや問題、商品だけでなく、毎日自己改善に取り組めるとすればどうなるかを想像してみよう。全ての会議や会話で、盲点を克服することが求められるかもしれない。ここで言う盲点とは、自分で自分の足を引っ張り、知らないうちにあなたの仕事のパフォーマンスを悪化させてしまうものだ。
私たちは最近、中規模金融機関の副社長、ブライアンと仕事をした。ブライアンは部下を酷使し、主に命令と支配力で部下を管理していることで知られていた。彼は決断を下すとき、まずは全ての事実を並べられることを必要としていたため、決断が遅かった。ブライアンは、協働を心から評価していなかったのだ。さらに、ブライアンは意識せずにチームをマイクロマネジメントしていたため、チームは自分たちが信用されていないように感じていた。
幸いなことに、同社の最高経営責任者(CEO)は成長と開発に意欲を燃やし、職場のリーダーがより良い人間になるよう支援することに熱心に取り組んでいた。彼女は、ブライアンに変化を遂げるよう促した。