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2019.05.06 17:00

世界で勢いを得る「絶滅への反逆」運動とは?

ロンドンで行われた「絶滅への反逆(XR)」活動 (Photo by Luke Dray/Getty Images)

ロンドンで行われた「絶滅への反逆(XR)」活動 (Photo by Luke Dray/Getty Images)

「絶滅への反逆(XR, Extinction Rebellion)」は、象徴的なロゴの下、気候変動を最小限に抑え、近い将来に人類が滅亡する可能性を減らすべく、世界各地の環境政策に働きかける平和的運動だ。

XRは昨年5月、非常に読みやすい活動理念宣言に約100人の識者や科学者らが署名して英国で結成されもので、経済を2025年までに迅速かつ完全に脱炭素化するための確かな計画の策定、各国政府による真実の公表、真の参加民主主義を求めている。

その活動は最近注目された英国に加え、オーストラリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、スペイン、オランダ、南アフリカ、スイス、米国でも行われ、その他の国々に対しても参加が呼びかけられている。

XPの活動は、生徒たちによる「気候ストライキ」運動にも共鳴し、若き環境活動家グレタ・トゥンベリからの支持も得ている。XRの活動は間もなく、あなたの近くでも行われるようになるだろう。これは、政府が社会契約を破り、地球温暖化に対して何の対策も講じず、何もできることはないと言い訳して自らの怠惰を正当化したり、単に対応を怠ったりしたことの当然の結果だ。

経済を2025年までに脱炭素化するには、6年以内に3800万台のディーゼル車とガソリン車を道路から排除し、2600万台のガスボイラーを廃棄せねばならない。NPO「エネルギー・気候情報ユニット(ECIU)」はこの目標について、「技術的、経済的、政治的にみて実現する見込みがまったくない野望」だと指摘しつつも、アクティビズムの一形態としての同運動については支持を表明している。

XRの急進的アプローチは、まさに「現実的になれ。不可能を要求しろ」というものだが、だからといってその面白さや必要性が下がるわけではない。理想主義的ではあるが、いたって真面目な運動であり、その目標は多くの専門家によって支持され、人々の意識向上に大きく貢献できることは間違いない。

環境保護活動は今や、次の段階へと移行した。やがては政治課題として、否定論者や無責任な人々から酸素を奪うだろう。責任を負い、行動を起こすのは重要だ。私たちが直面している破壊の真の規模を示す証拠が明確になるにつれ、XRやプランBアース、気候ストライキのような運動はさらに活発化するだろう。

気候変動問題を軽視したり無視したりしている政治家やビジネスリーダーは、少なくとも私利を守るためにも、自分の将来について考えるべきだ。

編集=遠藤宗生

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