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近年はセルフケアへの関心が高まる一方、これまで長い間にわたり伝えられてきた先人の知恵が実は正しいことを示唆する証拠が多く発表されている。それは、自分よりも他者に関心を向けることが幸せになる鍵だということだ。

幸福研究ジャーナル(Journal of Happiness Studies)に3月に掲載されたアイオワ州立大学の新たな調査は、他者の幸せを短い間でも心の中で願うことで、他に効果がありそうな活動に従事したときよりも顕著に幸福度が高まり、ストレスが減少することを発見した。

他者の幸運を願うことが気分などの変数にどのように影響するかを理解するため、研究チームは学部生を対象にして、幸福度やストレス水準、生活への満足度、共感、思いやりのレベル、連帯感など複数の項目を測定した。それに加え、全体的なマインドフルネス水準や自己中心性、知性など個人の特性も複数の項目にわたり測定された。

研究者らは、それから参加者を4つのグループに分け、参加者らは全員キャンパス周辺を12分間散歩するよう指示された。1つ目の「慈愛のグループ」は、散歩中に見る人に対しそれぞれ心の中で「この人には幸せになってほしい」と考えるよう指示された。

2つ目の「相互関連性のグループ」は、すれ違う人と自分がどのようにつながっているかを考えるよう指示された。例えば、自分と同じ希望や夢、ストレスを持っている可能性や、同じレストランで食事をしたり、同じクラスに在籍したりしている可能性などだ。

3つ目のグループは、散歩中に見た人それぞれに対し、自分が相手よりもいかに良い境遇にあり幸運かを考え、社会的比較を通して相手を見下すよう求められた。

4つ目のグループは対照群で、すれ違う人が着ている服の色や生地、メーキャップやアクセサリーなど外的側面に目を向けるよう指示された。

その後、研究チームは再び参加者に気分や感覚について尋ねた。その結果慈愛のグループは、幸福度や連帯感、共感、不安など複数の基準で数値に改善が見られ、大きな変化を示していた。2つ目の相互関連性グループでは社会的連帯感が増加したが、幸福感や不安に改善は見られなかった。相手を見下すような社会的比較をしたグループと対照群には変化は見られなかった。

論文の著者のダグラス・ジェンティルは発表の中で「歩いているときに世界に対して親切心を持つことで不安が減り、幸福度や社会的な連帯感が向上する」と述べた。「時間がかからないシンプルな行動なので、毎日の活動に取り入れることができる」

翻訳・編集=出田静

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