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2019.04.16 06:00

NOVA社長が語る「野球漬けが育んだ私の勝負魂」

NOVA社長の隈井恭子(写真=yOU 河崎夕子)

NOVA社長の隈井恭子(写真=yOU 河崎夕子)

英会話教室の老舗NOVAで社長を務める隈井恭子は大の広島カープ好き。そんな彼女に、野球のこと、多言語を学ぶ魅力や経営指針などについて尋ねた。


新卒でNOVAに入社後、現NOVAでは関西や北海道、四国などの営業を担当し、エリアマネジャー、副社長を務めたあと、2018年に社長に就任しました。

経営に携わろうという野心はまったくなく、「石の上にも3年というから、3年間は頑張ろう」くらいの心持ちで入社したので、この状況には私だけでなく、周囲も驚いています。ただし、「やるなら絶対に一番になろう」という気持ちは人一倍あって、そこが評価につながったのかもしれません。昔から勝負事が大好きなんです。

というのも、私は京都生まれ・関西育ちなのですが、小さいころから父の影響で広島カープのファンで、カープ女子にするための「英才教育」を受けていました。それこそ選手名鑑を端から端まで覚えて、甲子園球場で声をかぎりに応援する。いまでも広島のマツダスタジアムに年に2回は行きますし、プロ野球ニュースのチェックは欠かしません。だから、部下に仕事の話をするときも、野球の譬えが多いらしくて(笑)。

「マネジャーたるもの、補欠ではなくエースで4番を狙いなさい」とか言うので、若いスタッフに困惑されています。

英語は、小学生のときに自ら両親にお願いして、英会話を習っていたんです。外国語を学ぶ楽しさですか?やはり異国の文化や価値観を知れることと、コミュニケーションの幅が広がること。

弊社のNOVAバイリンガルKIDSコースに通う子で、学校の友達となかなかお喋りできなかったのに、外国人の先生と英語でコミュニケーションをとるうちに、すごくオープンマインドになって、学校でも友達ができたという話もよく耳にします。言葉のもつ力って大きいんですよね。だって、キャラクターが違って見えたりするでしょう?英語と日本語もそうだし、標準語と方言でも違う人みたいに見えるとか。

例えば、私が好きな英語の語彙のひとつに“My pleasure.”があります。外国人講師に“Thank you.”と言うと、必ずこの言葉が返ってくる。 “You are welcome.”や“It’s OK.”ではないこの言葉には、英語のもつ前向きなオーラと清々しさがこめられているように感じるんです。

大事にしている経営の指針は「凡事徹底」です。これはNOVAホールディングス社長の稲吉正樹が常日頃から口にしている言葉でもあるのですが、副社長時代にようやくその言葉の意味が腑に落ちて、霧が晴れたんですね。つまり、仕事は常に基本の繰り返しであると。ルーティーンなことって、どうしても流れ作業的になるし、刺激や派手さをどこかで求めたくなってしまう。そういうときに屋台骨が揺らいで経営がおろそかになるので、何事も凡事徹底なんだと自らを戒めています。

仕事を忘れてリフレッシュしたいときは、長野県の安曇野まで車を走らせます。空気が澄み、水が豊富で、空が広く、マイナスイオンであふれている。癒やされますね。あとはやはり広島カープが勝つことで、日々の憂さは飛んでいっちゃうかな(笑)。好きなチームがあると、毎日刺激があって脳も活性化するそうなので、オススメですよ。


くまい・きょうこ◎1976 年、京都府生まれ。新卒で旧NOVAに入社。2007年の経営破綻後、新NOVAに入社。大阪エリアマネジャーを務め、既存校舎の再開や新規の開校に携わる。14年副社長に就任。17年11月より現職。

構成=堀 香織 写真=yOU(河崎夕子)

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