フリーライター/エディター

ゼノデータ・ラボ代表取締役の関洋二郎

ここ数年で「ビッグデータ」という言葉は、すっかり浸透した。とはいえ、その利用はまだまだ道半ば。集めたデータをどのように利用すればいいか迷っている企業も少なくなく、利用したとしても在庫の管理や顧客の属性管理といった「現状の分析」に留まる企業がほとんどだ。

ビッグデータが真価を発揮するのは、その次の段階だといわれている。現状分析をもとにした「将来の予測」だ。大量のデータをもとに、過去に起きた因果関係をAIで整理・解析することで、これから何が起こるかを予測する。

個人ではなかなか気づけない因果関係を発見する試みは、はるか遠くで起きた蝶の羽ばたき(小さな出来事)が巡り巡って大きな影響を引き起こす「バタフライ・エフェクト」のメカニズムを可視化するものといってもいいかもしれない。

経済ニュースや決算情報を解析し、企業業績への影響を予測する「xenoBrain(ゼノ・ブレイン)」は、まさにそんなサービスだ。3月25日、ゼノ・ブレインを開発するxenodata lab(ゼノデータ・ラボ)が、総額7.8億円の資金調達を発表した。

調達額のうち6.8億円は第三者割当増資で、1億円は融資となる。引受先は、レオス・キャピタルワークス、慶應イノベーション・イニシアティブ、第一生命保険、時事通信社などだ。

今回の出資について、レオス・キャピタルワークス代表取締役社長の藤野英人は、「AIに代表される新しい技術による既存業務の代替を恐れるのではなく、むしろ積極的に取り入れることで技術革新のスピードを超えて発展する企業になることを目指したいと思っております。今回は、経済分析シーンを大きく変える可能性のある技術を持つゼノデータ・ラボに期待を込めて、個人として投資をさせていただきました」とコメントしている。

記事を解析し、これから変動する株を予測

「ゼノ・ブレイン」は、これから起こる事象や株価の変動を予測するサービスだ。独自の自然言語処理により、過去の経済記事と企業の決算短信や有価証券報告書を解析。最新のニュースと組み合わせて、ある出来事の前後にどんな出来事が発生し、それによって企業の業績がどのように変化するかをツリー状のチャートで示してくれる。

例えば、海面温度が上昇する「エルニーニョ現象」の発生が発表されたとする。すると今年は暖冬で電力需要が減ると予想されるので、コーヒー豆の生産量が減って価格が高騰。結果としてカフェを経営する企業の株価が上昇する……というように、ある出来事によるって会社の株価がどのように変動するかを示してくれる。


ニュースの出来事が及ぼす影響から、それによる株価の変動までがツリー状に示される(画面はサンプル)

文・写真=野口直希

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