I am a journalist that writes about wealth in all its guises

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「富めることへの罪悪感」は、裕福な人たちが昔から持ってきたものだ。だが、富裕層に対する人々の怒りが高まる中、彼らは今、かつてないほど強くそれを感じるようになっている。

英国では、お金の話をすることはタブーとされていた。それが1980年代になると、「強欲をよしとする」考え方が広まった。シティのブローカーたちやギリシャの海運王たちによって「スーパーヨット」が多くの人に知られるようになり、テクノロジーがステータスシンボルとなった時代のことだ。

ロシアでは企業の民営化によって、そしてアラブ諸国では石油によって、多くの富豪が誕生。彼らは欧州の富豪のイメージを伴うヨットや大邸宅、ジェット機といったものを手に入れた。

「ぜいたく品」は、誰もが欲しがる商品になった。所得の増加が全ての人の暮らしが良くなることを意味していた時代には、富は誇示できるものだった。

だが、そうした時代は2008年に起きた世界同時不況によって終わりを告げた。世界的な株式市場の暴落は、最も裕福な人たちだけでなく、最も貧しい人たちのポケットも直撃した。

それから10年がたった今、誰より急速に資産を増やしているのは、最も豊かな人たちだ。スイスの金融大手クレディ・スイスが昨年発表した報告書によると、保有資産で世界の上位1%に入る人たちは2008年、世界の全世帯の資産の42.6%を保有していた。その割合は昨年には、47.2%に増加している。

また、英国を拠点とする国際慈善団体オックスファムが今年1月に発表した調査結果では、富裕層が保有する資産は昨年、12%増加した。一方、世界の人口の半数を占める貧困層の資産は11%減少していた。

景気が回復した以降は、新たなソーシャル・メディアの時代となった。新たに豊かになった人たちの多くが、フェイスブックやインスタグラムを介してその富を誇示するようになった。

世界的な「富の衝突」

英国の資産管理会社サンダーソン・ハウスが行った調査によれば、同国の富裕層は「政権交代を恐れている」という。ジェレミー・コービン党首が率いる労働党が与党になれば、税制が大幅に改正される可能性があるためだ。

フランスでは昨年から、「黄色いベスト」運動と呼ばれる抗議デモが続いている。燃料税の引き上げがきっかけとなったが、参加者らが本当に怒りを募らせているのは、彼らが「金持ちのための大統領」と呼ぶエマニュエル・マクロン大統領だ。

民主主義国ではなくても、富裕層はお金の使い方に気を遣っている。サウジアラビアの富豪たちは、不要な関心を集めることを避けるため、プライベートジェットの利用を控えている。

編集=木内涼子

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