テクノロジー

2019.03.19 06:00

VR施設で急伸の香港Sandbox社、アリババ出資で日本進出も計画中

Mark Nazh / Shutterstock.com

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VR(仮想現実)のエクスペリエンス施設の運営企業として、注目を集める香港のスタートアップが「Sandbox VR」だ。同社は今年1月にアンドリーセン・ホロウィッツが主導するシリーズA資金調達ラウンドで、6800万ドル(約74億円)を調達した。また、中国のアリババも同社に出資している。

Sandbox VRは現在、香港やサンフランシスコ、バンコク、シンガポール、バンクーバーなどの7カ所でVR施設を運営中で、香港の施設はトリップアドバイザーが選ぶベストアトラクションにも認定された。

同社の人気のVRゲームとしてはゾンビと対戦するものや、海賊のお宝を見つける冒険ゲーム、未来の香港を守る対戦ゲームなどがある。

創業者のSteve Zhaoはビデオゲーム業界のベテランで、2016年にVR分野に参入した。「仮想空間の中で、友達と一緒に楽しめるゲームが次の時代を創ると考えた」と彼は話す。

参加者全員がVRヘッドセットと、センサーつきのベストを着用し、専用施設内をさまよう事業プランは、当初は投資家を説得できなかったという。Zhaoは自らの預金を切り崩して事業を始動し、6カ月間でなんとか資金を調達するプランを描いたという。Sandbox VRは香港の古い雑居ビルで、事業をスタートさせた。

「最初にこれはいけると思えたのは、身内だけを招いて行ったデモの場だった。参加した人々は全員、ゲームに興奮して信じられないぐらいの大声で叫んでいた。近所の人が心配して、様子を見に来るほどだった」とZhaoは話す。

香港で始動したSandbox VRの施設は、世界各地に拠点を拡大した。新たな調達資金を用い、米国で新たに8拠点を開設し、今後は東京への進出も視野に入れているという。ゲームの提供価格は地域によって異なるが、1人あたり30〜45ドルのレンジに設定されている。シリコンバレーのモールでは、ラッパーのカニエ・ウェストがゲームを楽しむ様子も目撃されたという。

「今後はさらに世界進出を加速させていく」とZhaoは話した。

編集=上田裕資

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