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AI通信「こんなとこにも人工知能」

韓国・仁川空港(Sorbis / Shutterstock.com)

Synapse Technology社など、X線マシンのスキャン能力を人工知能で増幅するシステムを開発する企業への注目が高まるなか、韓国・仁川空港が来年下半期から実際にAI検査システムを現場に導入していくとの見通しを発表した。

各国同様、韓国国内ではX線映像判定装置に人工知能を導入すべく研究が進められているが、実用化が具体的に言及された例は初となる。

なお、仁川空港を通じた入国者数は増加傾向にある。2017年には約608万人だった入国者数は、2018年に700万人を突破。2001年以来、最大規模となった。空港の使いやすさとセキュリティー向上を両立するためにも、検査場の自動化・効率化が課題となっている。

新しい保安検査システムを

仁川空港では今後まず、人間とAIの協業体制を確立していく計画だという。AI検査装置が搬入物や手荷物を一次的に検査。その後、人間のスタッフが搬入禁止されている物品を最終的に判断・摘発していくという作業フローだ。言い換えれば、人工知能は空港から国内・海外に運び込まれるモノのキュレーションをまかされることになる。

そのため、仁川空港側は、判定アルゴリズムを市販の商品約2万点を含む、60万点以上のモノの画像データを使用して学習させていくとしている。

なお仁川空港が最終的に目指すのは、通過するだけで荷物の検査が終了する新しい保安検査場およびシステムを完成させることだ。人工知能を使ったX線装置は、その主要な技術のひとつとなる。

日本では、訪日外国人旅行者の増加に伴い、羽田空港、成田空港、中部空港、関西空港、福岡空港に顔認証技術を使った入出国ゲートが設置された。いずれも、日本人の出帰国手続を合理化し、外国人の審査に入国審査官のリソースを割り振るためだとされている。

今後、荷物の保安検査場にもAI検査装置が導入されていけば、セキュリティー対策や効率性がさらに向上することは言うまでもない。さらに、一般の善良な旅行客とのトラブルを避けられることで、保安検査員の精神的ストレスも軽減されていくはずだ。

AI検査装置の拡充は、おそらく空港利用者にとってもメリットが大きいものとなるはずだ。入出国時の時間の削減に繋がることはもちろん、散らかったカバンの中身をわざわざ見られる必要がなくなるなどプライバシーの保護にもつながる。旅行者としては旅行に行く際には楽しい気持ちを維持したいもの。AI検査装置が“空港のホスピタリティー”を底上げしてくれるテクノロジーにもなることを期待したい。

連載 : AI通信「こんなとこにも人工知能」
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文=河 鐘基

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