トランプの生家が売りに 価格は3億円超

ドナルド・トランプ米大統領の生家(Photo by Drew Angerer/Getty Images)

米ホワイトハウスやトランプタワーを訪問するには特別な許可が必要だが、今なら現金290万ドル(約3億2000万円)さえあれば、トランプ大統領の生家を訪問できる。

ニューヨーク市クイーンズ区ジャマイカ・エステーツにあるこの邸宅は最近、再び売りに出された。ジャマイカを「再び偉大に」したい人にとっては絶好の機会かもしれない。現所有主は現金払いを希望しているため、応募できるのは真剣に購入を考える人のみだ。この邸宅が前回売りに出されたのは2016年の大統領選挙前で、売却額は約165万ドル(約1億8000万円)だった。

邸宅は寝室5室とバスルーム4室、パウダールーム1室を備えたチューダー様式で、トランプ大統領が1946年6月14日にジャマイカ病院で生まれてから初めて住んだ家だ。周辺は当時、医者や政治家が住む高級住宅地で、不動産開発業者だった父フレッド・トランプが手掛けたスーパーマーケットがオープンしていた。

同物件の売却を担当する不動産企業コンパス(Compass)のエドワード・ヒッキーによると、邸宅はフレッドが1940年に建てたもので、住所は大統領の出生証明書に記録されている。

弟のロバートが生まれた後、トランプ家は近所の高台に立つさらに豪華な家へと転居した。転居先の住宅は23室を備え、加え曲がりくねった階段や、列柱と屋根のある玄関を備えている。

トランプの生家は値段こそ高いが、これと比べると質素だ。書庫や内装済み地下室、囲い付きパティオ、車5台分の駐車スペースと2台分のガレージなどを備え、敷地面積は縦約12メートル、横約36メートルだ。内部には、ハードウッドのフローリングや暖炉、高い天井、広々とした部屋が備わっている。

邸宅は現在、トランプ大統領やその関係者の所有物ではない。金箔や過度に飾った家具、豪華なシャンデリアなどがないことからも、それは明らかだ。しかし、意外なところにトランプの痕跡は残されている。エアビーアンドビーで1晩700ドル(約8万円)で貸し出されていたときの名残として、トランプ大統領グッズが今も置かれているのだ。その中にはボール紙で作った実物大の大統領の切り抜きや、アンディ・ウォーホル風のポップなスクリーン印刷、トランプが表紙になった米誌ピープル、トランプの自伝などがある。

冷やかしが集まることを避けるため、取引は現金のみとされている。真剣に購入を考えている人は、資金証明を提出した上で、見学を予約できる。よく考えてみれば、トランプの生家は最も訪問が難しい場所なのかもしれない。

編集=遠藤宗生

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