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朝食が健康に与える影響については近年、少しうんざりするほどの議論がなされている。朝食が1日の中で最も重要な食事なのかどうかを見極めようとした結果、研究者らのほとんどが実はそうではないことを発見した。

医学誌BMJに掲載された新たな調査からは、減量に関する限り、朝食を抜いても抜かなくても違いはない可能性が高いことが指摘された。

オーストラリア・メルボルンのモナシュ大学の研究者らは、朝食を抜くことと減量との関係を調査した過去の研究13件のデータ(全て無作為化試験)を分析した。その結果、朝食を抜くよう指示された人と食べるよう指示された人との間には、減量に関して大きな違いがないことが分かった。

1日の間に消費するカロリー量は、朝食を取った人の方が実際少し多かったものの、研究の著者らは調査対象となった研究に偏りや全体的な品質問題があった可能性があるとし、これらの調査結果を慎重に解釈すべきだと述べた。いずれにしても、朝食は減量を目指す人に必ず推奨すべきものというわけではない。

研究の著者らは「朝食を取る習慣が既に確立されているかどうかは別とし、朝食を取ることが効果的な減量方法だとは言えない可能性がこの調査から示唆されている」と述べ、「朝食は減量に逆効果となる可能性もあるため、成人の間で減量を目的として朝食を推奨することには慎重になる必要がある」と書いている。

「The American Journal of Clinical Nutrition」に2014年に掲載された研究では、朝食を抜いても取っても、代謝には大きな違いがないことが指摘された。また、同誌に2014年に掲載された別の研究では、対象者は朝食を取るか抜くかを指示された。そこも2つのグループ間で減量に大きな違いは見られなかった。さらにバース大学とノッティンガム大学の研究者による調査も、この調査結果を支持している。

しかし一部の研究では、朝食を抜くことが心臓の健康悪化につながることが示唆された。科学誌サーキュレーション(Circulation)に掲載された2013年の大規模な調査では、16歳以上の男性医療従事者2万7000人近くを追跡調査した結果、朝食と減量の関係に影響を与え得るほぼ全ての変数を制御した場合でも、朝食を抜くことは冠動脈性心疾患リスクが27%増加したことと関わっていた。

この理由には、朝食を抜くことで“失われた”カロリーを不健康な方法で埋め合わせていることがあるかもしれないが、それ以上の何かがある可能性もある。一部の人は、朝食を抜くことで体がストレス状態に置かれ、それにより代謝や心臓血管系の健康に影響が出るかもしれない。

翻訳・編集=出田静

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