グープは近く、その提供するコンテンツのための新たな「プラットフォーム」どころか、「メガホン」を得ることになるわけだ。世界190カ国にいるネットフリックスの加入者は、合わせて1億3000万人を超える。
グープが番組で何を紹介する予定か、今のところは明らかになっていない。だが、同社がこれまでに発信してきた情報には、多くの医療関係者が懸念を示している。
「膣に翡翠」で注目
グープが美容と健康のために推奨してきた方法の中には、「膣に卵型の翡翠を入れる」「コーヒーで浣腸する」「ヨウ素を取れば免疫系が助けられ、ウイルスや細菌への感染を防げる」といったものがある。
産婦人科医のジェン・ガンターは、「グープのウェルネス製品161点を見直して分かったこと」というタイトルを付けたブログ記事を公開している。
同医師はその中で、「健康増進効果をうたっている、あるいは健康に関連すると考えられる商品110点のうち、科学的な根拠があると確認できたのは10点のみだった。つまり、疑似科学に基づいたものではない商品は、10%だけだった」と述べている。
また、英紙ガーディアンは、グープとネットフリックスの契約について、「危険な疑似科学の勝利」と指摘した意見記事を掲載している。
健康に関連する情報の「責任」
辞書サイト「ディクショナリー・ドットコム(dictionary.com)」の定義によれば、「疑似科学」は「占星術や念力、透視能力をはじめ、科学的根拠がないと判断されるさまざまな方法、理論、またはシステムの全て」だ。
だが、悲しいことに、そうした疑似科学的な商品を売って儲けようとする人は、後を絶たない。さらに、そうした商品を売ろうとする人たちの多くは、著名人やスポーツ選手、ヘルスケアの専門家などに喜んでお金を払い、販売を助けてもらおうとする。
だからこそ私たちは、健康関連の情報をふるいにかけ、製品・サービスについて検討することができる消費者にならなければいけない。