米国人の73%が「地球温暖化が現実に起きている」と回答

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地球温暖化の進行が事実であり、日常生活に影響が出ていると考える米国人の割合が、過去最高レベルに達していることが明らかになった。

エール大学が1114名の米国人を対象に実施した調査で、73%の人々が地球温暖化の進行が事実であると回答した。この割合は2015年から10%上昇した。さらに、地球温暖化は個人的にも重要な問題だと回答した人の割合も、72%に及んでいた。

ここ10年ほどで、地球温暖化に関する科学者らの見方を信じる人の割合は、飛躍的に高まった。多くの人々が、温暖化は人間が引き起こしたものであり、暮らしに影響を与えていると考えている。

記録的な豪雨やハリケーン、干ばつや山火事がアメリカ全土を襲うなか、人々の温暖化に対する考え方が変わったことは明確だ。かつては科学的理論に過ぎないと思われていた地球温暖化が、目に見える脅威として迫っている。

調査から、69%の米国人が日常的に温暖化の進行に不安を感じていることも明らかになった。しかし、問題の捉え方は支持政党によって異なり、民主党支持者のほうが、共和党支持者よりも温暖化を事実として認識している傾向も見えてきた。

議論が高まるなかでも、ドナルド・トランプ大統領は地球温暖化を否定するスタンスを変えていない。

しかし、先日は米国防総省(ペンタゴン)も気候変動が今後、国家の安全上の重大な危機につながる懸念を表明した。昨年のニューヨーク州の民主党予備選を勝ち抜き、史上最年少の女性下院議員として注目を集めたアレクサンドリア・オカシオ・コルテスも、「グリーン・ニューディール」と呼ばれる対策法案をまとめようとしている。

エール大学の調査では、41%の米国人が温暖化について、友人や家族と議論すると述べた。また、56%が月に最低1度は温暖化に関わるニュースにふれると回答した。人々は温暖化が現実であることを認識し、今後のリスクや温暖化を軽減するための施策について、理解を深めようとしている。

編集=上田裕資

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