同社COOのYaxin Guanによると、このスーツケースはGPSとカメラを備えており、道路上の障害物を自動的に回避しながら、ユーザーを追尾するという。筆者は会場で、Ovisと呼ばれるこのハイテクスーツケースのデモを体験したが、Ovisはまるで忠実な犬のように筆者の後ろをついてきた。
Ovisは一回の充電で12マイル(約19キロメートル)程度を走行可能だという。また、ユーザーを追尾するだけでなく、飼い犬のようにオーナーの横に並んで走ることができる。さらに、盗難や置き忘れによりユーザーから離れた場合、アラームで警報を鳴らすことも可能だ。
Ovisは米国の航空当局の規制にも適合するよう作られており、バッテリーはセキュリティチェックの際に簡単に取り外せる。また、スーツケースのカギはTSA認証済みだ。同社は既にこのスーツケースを、数千台販売しているという。
「昨年実施したインディーゴーゴーのキャンペーンでは、140万ドルの支援金を獲得した。オーナーの半数は海外に頻繁に出かける企業のエグゼクティブや医師たちだ」とCOOのGuanは話した。
ForwardXは単にスーツケースを製造するだけでなく、コンピュータビジョンやAIを組み合わせた、自動走行マシンのプラットフォームを構築しようとしている。この技術を用いた小型ロボットも開発されており、新たなプロダクトの自動芝刈り機も年内か来年の早期には市場に投入される。
同社の創業者のNicholas Cheeは北京科技大学の電子工学科を卒業し、2003年には中国のロボットコンテストで入賞した経験を持つ。ForwardXは中国のベンチャーキャピタルの「CDH Fund」や「Eastern Bell Venture Capital」らから、累計で3000万ドルの資金を調達している。