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米国では2019年も引き続き、ブルーカラーにとっての「当たり年」となりそうだ。米国のビジネス環境に関する調査を行う非営利の民間機関、コンファレンス・ボードが発表した報告書によると、ブルーカラーは人材不足が続いている。

それは、製造業が中国などから自国に拠点を戻しているためではないとみられる。主にベビーブーマー世代の定年退職と、低所得層の間で所得補償給付の受給者(薬物依存による申請を含む)が増えたことが、ブルーカラーの仕事に就きたい求職者の大幅な減少につながっているという。

一方では、リベラル・アーツ・カレッジに進学する高校生が増え、より高度なスキルが必要な仕事や専門サービス業に就く人、教員などの公務員になる人が増加している。

報告書は、刑務所制度の改革については言及していない。だが、フロリダなどの州では比較的軽い犯罪で有罪となった受刑者に対し、労働や有権者登録を再び認めるべきだとする声が与野党から上がっている。これは、ブルーカラーの減少と大きく関わっている可能性がある。

企業の業績に影響も

エントリーレベルの仕事に就く人を含めたブルーカラーの需要は、2008年の世界金融危機のころから着実に増加してきた。診療所や介護施設を含むヘルスケア業界、従来型の製造業、アグリビジネス、鉱業、建設業などの分野では特に、今後も高い人材需要と求職への応募者の不足が続くとみられる。

一部の企業は人材募集の際の候補者を増やすため、学歴に関する採用条件を緩和し、その後に社内で研修を行うなどもしている。

また、米国のトラック運送会社の多くでは、従業員の年収が10万ドル(約1100万円)を超えている。ただ、企業は労働者を呼び込むための賃上げに加え、採用数を増やしたり、採用の方法を変えたりする必要もあるかもしれない。

コンファレンス・ボードのチーフエコノミストであるギャド・レバノンは、「十分な数のブルーカラーを呼び込みたい企業は、今後も賃金を引き上げていかなければならないだろう。利益を減らすことにもなるかもしれない」と指摘する。

「ブルーカラーが満足できる仕事に就くことや、急速な賃金の延びを経験できる可能性は数年前と比べ、大幅に高まっている」
ブルーカラーの労働力不足が企業に突き付ける課題の大きさは、企業が技術の導入や拠点を移すことなどによって、どれだけ柔軟に対応できるかにかかっている。

自動化が加速か

報告書によれば、企業はひっ迫する労働市場と賃金の上昇が利益率に及ぼす影響に適切に対応するため、自動化の推進に向けて迅速な行動を取らなければならないと考えられる。

企業は今後、多数の労働者と高い人件費に依存するのではなく、自動化への投資を拡大していくことになるだろう。市販食品の調理や製造、清掃、メンテナンスといった一部の労働市場では、すでに業務をより一層、自動化させるべき時期にきている。

米経済は2019年、減速が予想されている。それでも、ブルーカラーの労働者に依存する企業にとって、簡単に人材が確保できるようになるわけではなさそうだ。

編集 = 木内涼子

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