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2018.12.23

農業テクノロジーで連携深める、イスラエルとアフリカ諸国

アフリカの農業を支援するAGRA(photo courtesy of AGRA Comms)

イノベーション大国として知られるイスラエルは、農業分野でもその存在感を高めている。先日は、アフリカのナイジェリアやガーナ、ケニア、エチオピアの研究者らがイスラエルを訪れ、農業分野のテクノロジー活用について話し合う会合が開催された。

農業分野の世界的企業シンジェンタが農家を支援する財団、シンジェンタ財団(Syngenta Foundation)も参加したこの会合は、コフィ・アナン元国連事務総長が2006年に設立した、アフリカの農業を支援するイニシアチブのAGRA(Alliance for a Green Revolution in Africa)との連携で開催された。

会合のテーマとされたのは、いかにしてイスラエル企業とアフリカの農家の連携を深め、テクノロジーを農業の発展に役立ていくかだった。

スタートアップ支援団体Start-Up Nation Centralのデータによると、イスラエルには農業分野のテクノロジー企業が525社あり、アフリカ市場への進出を視野に入れている。

「農業分野でイスラエルとアフリカが手を組むことは、双方に巨大なメリットをもたらす」とAGRAのプレジデントのAgnes Kalibata博士は述べた。

AGRAはアフリカの小規模な農家を支援し、アフリカの経済発展を促すことをゴールとしている。1500万世帯に及ぶアフリカの農家に、AGRAは経済的支援や技術支援、新たな市場へのアクセス機会を与えている。支援先には112社に及ぶアフリカの種苗企業も含まれる。

今回の会合の調整役を果たしたのが、イスラエル最大の農業研究機関のボルカニセンター(Volcani Center)だった。元英国首相のトニー・ブレアが設立したトニー・ブレア・フェース財団やイスラエル政府もAGRAの活動を支援している。

AGRAとアフリカ各国の研究者らは今後、農業分野に特化したイノベーションセンターの開設を計画中だ。「新たなテクノロジーの活用により、アフリカの農業の発展を促進していきたい」とKalibata博士は述べた。

また、ボルカニセンター主任のEli Feinerman教授も「イスラエルの農業分野のイノベーションは、アフリカの発展に大きな役割を果たすことになる」と述べた。

編集=上田裕資

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