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デービッド・ファインバーグ博士 (Photo by Lisa Lake/Getty Images for Geisinger Symposium)

何かに満足することがめったにないデービッド・ファインバーグ博士は、医療制度改革にはもってこいの人物だ。医療業界誌出版社ベッカーズ・ヘルスケア(Becker’s Healthcare)が選ぶ米国のトップ医療リーダー100人にも入ったファインバーグは、来年1月からグーグルの医療戦略を率いることになった。

ファインバーグは現在、ペンシルベニア州に本社を置くガイジンガー・ヘルス(Geisinger Health)の最高経営責任者(CEO)を務めているが、変革をもたらすリーダーとしての評判は、2007年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)付属病院のCEOに就任した日から始まった。ファインバーグは、患者満足度が低く、複雑な組織構造を持つ同病院を、驚くほど短期間で変革したのだ。そこでファインバーグが学んだことは、グーグルでの新ポジションで役に立つと同時に、あらゆるリーダーにとっての指針となるものだ。

ファインバーグがCEO就任に同意した当時、UCLAヘルスの患者満足度は38パーセンタイルだった。CEOの在任期間中、UCLAの患者満足度は急上昇し、同病院は米国の全ての学術機関付属病院の上位1%に入るまでになった。だがそれでも、ファインバーグは満足しなかった。データ上ではランキング上位の病院に入ったとしても、患者100人中15人はまだ不満足だったからだ。

業界が何であれ、自社が上位1%に入れば、並大抵のCEOは喜ぶものだが、ファインバーグは並大抵のリーダーではない。ファインバーグは私に「15人の患者が、最高水準の共感と思いやりを受けていなかったのはなぜかを知りたかった」と語った。

デービッド・ファインバーグの病院改革戦略はまるで、対人コミュニケーションの巨匠によるレッスンを見ているかのようだ。

患者の声を聞くための院内ツアーの実施により、新たな企業理念が生まれた。ファインバーグはUCLAヘルスのCEOに就任すると、患者の意見を聞いて回り始めた。ドアをノックしては1日に2~4時間、患者のベッドに腰かけ、医療の質について質問を重ねた上、個人携帯電話の番号が書かれた名刺を患者に渡して周囲を驚かせた。

ファインバーグはツアーを通じて2つのことを学んだ。1つ目は、UCLAの医療チームは奇跡のような治療を毎日行っていたこと。2つ目は、組織が手順や技術に集中するあまり「患者の顔」を忘れてしまっていたことだった。

編集=遠藤宗生

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