2015年の調査では16%だった。2年間で281.25%も増えたことになる。
スマートフォンやスマートスピーカーの普及にともない、各国でオーディオブックの需要が高まっている。全米出版社協会によると、米国の2017年のオーディオブック売上は前年から29.5%増加。米国オーディオ出版社協会も、同期間の販売数増加率を22.7%と発表した。
英国では、Audible UKの2017年の売上が前年比45%増の9700万ポンド(約142億円)に達している。ちなみに同じ音声メディアであるポッドキャストの売上も増えており、米国では2017年の売上が前年比86%の3億1400万ドル(約353億円)を記録した。
実際にオーディオブックを利用しているのはどのような層なのか? BookNet Canadaが今月新たに発表した「Readers Are Listening: Audiobook Use in Canada 2018」によると、平均的なリスナー像は25〜34歳の女性で、週に1回から数回聴いているという。
同レポートは、2018年にカナダの18歳以上のオーディオリスナー449人を調査した結果と、書籍全般の利用に関する消費者調査の結果などをまとめたもの。オーディオブック利用者がオーディオブックを選ぶ理由は、「他のことをしながら聴けるから」が65%、「より多くの本を読むことができるから」が33%、「朗読を聴くのが好きだから」が31%だった。これらの比率は過去数年間、変わっていないとBookNet Canadaは述べている。
また、リスナーの58%はオーディオブックとポッドキャストの両方を利用しており、45%がオーディオブックを利用し始める前からポッドキャストを聴いていたと答えた。ポッドキャストがオーディオブックへの入り口となっている可能性がある。
もっとも、オーディオブックが主流のメディアになるまでには、しばらく時間がかかりそうだ。書籍全般に関する消費者調査では、回答者の64%がオーディオブックを「滅多に利用しない/まったく利用しない」と答えた。紙の本で同じ回答をした人は5%、電子書籍では42%だった。
BookNet Canadaはまた、今年前半にカナダの700人を対象に読書習慣に関する別の調査を行っており、そこでは回答者の46%が次に読む本を選ぶ際に「口コミ」を重視すると答えている。カナダで多くの出版社がオーディオブックを作り始めたのは、消費者の動向に耳を傾けてきた結果でもあるのだろう。