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AI通信「こんなとこにも人工知能」

WHYFRAME / Shutterstock.com

フィンテック、フードテック、リーガルテックなどなど、各産業の業務効率化や、新たなイノベーションを図るためのテクノロジーを「〇〇テック」として呼ぶことが流行っている。それらテクノロジーの中身は実にさまざまだが、とりわけ人工知能(AI)の利活用は各産業の共通した話題となって久しい。

興味深かかったので、どんな〇〇テックがあるか調べていると、「リテック(ReTech)」という聞きなれない言葉があった。これは「Real Estate Tech」の略で、日本語にすると「不動産テック」となる。

他の〇〇テック同様、リテックの中身も多岐にわたるのだが、人工知能の実用例に焦点をあてた場合、まっ先に思いつくのが「不動産仲介」の効率化だ。

例えば、米国の不動産会社 REX Real Estateは、潜在的な住宅購入希望者と物件をマッチングするAIシステム「REX」を開発している。同システムはSNSなどから潜在顧客の趣味嗜好を分析して、それぞれに適した不動産商品を提案していく。

米国では、約89%(2016年)の住宅が仲介業者を通じて取引されており、仲介業者を置かず住宅所有者が直接取引する割合は8%ほどとの統計がある。ただ、この8%には高級住宅が多く含まれており、REX Real Estateは人工知能を使って、そちらの市場を獲得していくことを目標のひとつに掲げている。

日本では、中古不動産ポータル「Renosy」が、人工知能を使った物件レコメンドやリスク分析など各種シミュレーション機能を提供しているが、こちらも仲介を効率化する実用例とすることができるだろう。

一方で、「不動産価格の算出」「投資効果の予測」「融資のための信用判定」などにも人工知能が使われ始めている。日本で関連サービスを提供している企業としては、リーウェイズ、リクシル、Jスコア、MFSなどある。

加えて、今後は「不動産管理」にも人工知能を使ったソリューションが登場するはずである。ハード面の管理業務では、エレベータ、非常ベル、消火器などから始まり、エアコンや電灯など施設設備の故障検知などが一例だ。

ソフト面では、クレーム処理にAIチャットボットを取り入れることも考えられるし、顔認識技術や音声認識技術を搭載した「案内ロボット」の登場もすでに現実的になりつつある。

まだまだ時間がかかるかもしれないが、「不動産開発」にも人工知能を利活用することができるかもしれない。企画段階から考えれば、人間が収集・処理しなければならない情報や資料はかなりの量となる。人工知能はそこで、意思決定の支援役として重宝できる。細かいところで言えば、他業種では求人や販促資料の文面作成・校閲などにも使われているので、不動産業界でもいずれ応用されていくだろう。

良く言えば人間くさい、悪く言えばまだ効率化や自動化の余地がまだまだ残されている不動産業界だけに、今後、どのようにユースケースが登場するか、また不動産業を革新していくか注目していきたい。

連載 : AI通信「こんなとこにも人工知能」
過去記事はこちら>>

文=河 鐘基

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